2024年物価上昇率は4.83%、中銀目標達成できずインフレ再燃
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年01月14日
ブラジル地理統計院(IBGE)は1月10日、同国の代表的な物価指数の拡大消費者物価指数(IPCA)について、12月単月の上昇率を前月比0.52%と発表した(添付資料表参照)。これにより、2024年通年の上昇率は4.83%に達し、中央銀行の2024年インフレ目標値3.00%(許容幅1.50~4.50%)を上回り、インフレが再燃した。2024年のIPCA伸び率は、4月に前年同月比3.69%を底に上昇基調に転じ、11月は4.87%に達した。12月(4.83%)は前月よりわずかに低下した。
12月単月のIPCA上昇率を費目別にみると、住居関連(0.56%減)以外の全ての項目で上昇した。最も上昇率が高かったのは飲食料品(前月比1.18%)、次いで衣類(1.14%)、交通・運輸(0.67%)、家庭用品(0.65%)と続いた。寄与度でみると、飲食料品(0.25ポイント)、交通・運輸(0.14ポイント)が目立った。
2024年1~12月累計のインフレ率をみると、9項目全てが上昇した。最も上昇率が高かったのは飲食料品(7.69%)、次いで教育(6.70%)、保健・個人衛生品(6.09%)となった。飲食料品について、IBGEのフェルナンド・ゴンサルベス物価指数アナリストは、南部リオグランデ・ド・スル州での大雨(2024年4~5月)などの天候不順が主な押し上げ要因になったと説明している。
なお、ブラジル中央銀行は12月11日に金融政策委員会(Copom)を開催し、インフレの進展などを理由に、政策金利(Selic)を11.25%から12.25%に引き上げ、国内インフレの沈静化を図っている(2024年12月20日記事参照)。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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