AIIBとウズベキスタン、年次総会で協力強化に合意

(ウズベキスタン、中国)

タシケント発

2024年10月03日

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第9回年次総会が、9月25~26日にウズベキスタンのサマルカンドで開催された。同銀行の年次総会が中央アジアで開催されるのは今回が初めて。

会合には、世界銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行の代表をはじめ、100カ国以上から約2,000人が参加した。AIIBとウズベキスタンの間で一連の協定が締結され、2024年1月に中国・北京で合意された3年間の投資プログラムに続き(2024年1月31日記事参照)、両者の長期的パートナーシップが強化された。

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領が歓迎のスピーチを行い、同国で今後有望な投資分野として、a.教育、b.インフラ(有料道路、高速鉄道、空港、電力、水道、ガス、住宅)、c.グリーン経済(太陽光発電、風力発電、グリーンデータセンター、グリーン電力証書市場)、d.水資源有効利用と節水を挙げ、水問題については、AIIBに対し、中央アジア地域で節水技術を導入するセンター設立のための協力を求めた。

AIIBの金立群総裁は、ウズベキスタンの多方面にわたる経済改革を高く評価し、同銀行が今後5~10年の間に同国向け投資を2~3倍に増やすことを期待していると述べた。また、同行がパートナーとASEANで実施している接続性向上の取り組みと同様のものを、中央アジアでも実施しようとしていると述べた(「クルシブ・メディア」9月25日)。

会期中、AIIBとウズベキスタンは2026年までのロードマップ改定版に署名し、総額約40億ドルのプロジェクトへの融資に合意した。AIIBのウズベキスタンにおける承認済み融資総額は、2024年1月に31億ドルに達したことが報告されていた。ウズベキスタンでは2030年までに貧困削減、包括的成長促進、世界的課題への回復力強化を目指す政策を取っており、両者の協力関係が深まることで目標達成に近づくことが期待される。

AIIBは中国の主導により2016年1月に設立され、ウズベキスタンは2016年11月に加盟した。同銀行は設立以降、37の加盟国・地域に対し285件のプロジェクトに対して547億ドルの融資を承認した。

次回の第10回AIIB年次総会は2025年6月に中国の北京で開催される予定。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、中国)

ビジネス短信 91ca434bac21d037