イスタンブールで「第7回日本・トルコ建設産業会議」開催
(トルコ、ウクライナ、アフリカ)
イスタンブール発
2024年10月10日
日本の国土交通省は2024年10月1日、トルコ貿易省と共同で「第7回 日本・トルコ建設産業会議」をイスタンブールで開催した。本会議は、両国の建設関連企業による第三国へのインフラ展開連携推進を目的としたもので、2020年のオンライン開催以来、約3年半ぶりの開催となった。会議では、ウクライナ復興およびアフリカ展開に関する情報交換などのセッションのほか、両国企業によるビジネスマッチングも行われた。
冒頭では、国土交通省の天河宏文国土交通審議官が、両国の第三国連携が質の高いインフラ整備を補い合い、当該国の経済成長に寄与することを強調した。トルコ貿易省のムスタファ・トゥズジュ副大臣は、日本との第三国連携はすでにドバイ、イラク、トルクメニスタンなどで成功事例があり、日・トルコ外交関係樹立100周年を契機にさらに拡大されるとの期待を述べた。その後、両省との間で「第三国における建設分野に関する協力覚書」の調印が行われた。
セッション1の「ウクライナ復興に関する第三国連携」では、オンライン参加となったウクライナの復興担当副首相兼地域社会・領土・インフラ開発相のオレクシー・クレバ氏が、戦争によるダメージが深刻なインフラ復興で、キーパートナーとなる日本とトルコに期待を寄せていると強調した。また、在トルコ・ウクライナ大使館および、日本の国土交通省、在トルコ日本大使館、国際協力機構(JICA)、ジェトロ、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、トルコの貿易省、建設業協会(TCA)、ウクライナで豊富な実績を持つドウシュ(Doğuş)、オヌル(Onur)が第三国連携による将来像について意見を交換した。
セッション2では「アフリカ市場における第三国連携」として、両国よりアフリカにおける取り組みや民間企業の実績などが発表された。国土交通省は「質の高いインフラ投資の推進における、持続可能な開発、ライフサイクルコスト、社会考慮の重要性」について強調し、その後、アフリカ・インフラ協議会(JAIDA)の会長である清水建設の宮本洋一会長がJAIDAの役割や取り組みを、幹事企業であるフジタの奥村洋治社長が、自社のアフリカにおける施工実績を紹介した。トルコの貿易省およびTCAは、北アフリカからサブサハラへと拡大しているトルコ企業の経験が、日本企業との連携によってさらなるシナジー効果を生み、競争力を強化できると強調した。また、ドバイメトロで日本企業との第三国連携実績のあるヤプメルケズィ(Yapı Merkezi)とサブサハラで活躍するスンマ(SUMMA)などトルコ企業がアフリカでの施工実績を紹介した。
TCAによると、トルコの建設企業は1972年~2023年で海外135カ国で1万2,122件、約5,030億ドルの建設案件を受注しており、ENR(Engineering News Record)による2023年国際コントラクター上位250社ランキングにおいて40社を数え、中国(81社)に次ぐ世界第2位にある。
(中島敏博)
(トルコ、ウクライナ、アフリカ)
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