洪水の影響で南部3県に非常事態宣言
(ポーランド)
ワルシャワ発
2024年09月19日
ポーランド閣僚理事会は9月16日、同国での記録的な豪雨による洪水に対して、被害の大きい南部3県において自然災害状態の導入に関する政令(非常事態宣言)を採択した。
政府は下流地域への洪水被害の拡大を防ぐことを最優先とし、既に被害を受けた地域に対する財政支援策の準備も始めている。
同日にドナルド・トゥスク首相は、ドルヌィ・シロンスク県、オポーレ県、シロンスク県の一部地域を30日間の自然災害状態に置く政令を発表した。同政令により、被災者は市町村に申請し、1万ズロチ(約37万円、1ズロチ=約37円、9月18日ポーランド国立銀行為替レート)の緊急支援を受けることができるようになった。
また、政令の対象地域内において洪水被害を受けた企業に対しては、社会保険庁(ZUS)による拠出金返済の支払い期限の延期・分割払い、ひいては免除申請も可能となる。
現時点で被害の全容はまだわかっていないが、9月15日現在、チェコとポーランド間の国際列車の運行が見合わせとなっているほか、被害の大きいチェコとの国境付近では道路封鎖などが続いている。
現地報道によると、被害地域では上下水道、電気、ガスの供給が止まっているため、復旧が急ピッチで進められており、同時に今後、南西部の下流地域での被害を最小限にとどめるべく、軍、消防、警察などの各機関が全力で対応している。
(林真人、ニーナ・ルッベ)
(ポーランド)
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