タタ、半導体製造で東京エレクトロンと提携
(インド)
アーメダバード発
2024年09月12日
インド大手財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスは9月9日、同社のX(旧Twitter)公式アカウントで、半導体製造装置大手の東京エレクトロンと提携したと発表した。
東京エレクトロンの発表によると、タタ・エレクトロニクスがグジャラート(GJ)州のドレラ特別投資地域(SIR)に設置する半導体製造(前工程)工場と、同じくタタ・グループ傘下のタタ・セミコンダクター・アセンブリー・アンド・テスト(TSAT)がアッサム州ジャギロード(モリガオン)に設置する組み立てとテストの工場建設に向けて協力する。東京エレクトロンは製品に関するテクニカルトレーニングなどの人材育成や、研究開発を支援する。
GJ州のドレラSIRでは現在、タタ・エレクトロニクスのインド国内初となる半導体製造工場の建設に向けた準備が進んでいる。台湾の力晶積成電子製造(PSMC)と提携し、PSMCのP5(ピーファイブ:注)工場を正確に再現した半導体工場をドレラSIRに建設し、2026年中に生産を開始する計画だ(「ミント」紙2024年3月13日)。
ジェトロと国際協力銀行(JBIC)は9月6日、5回目となるドレラSIRの視察ミッションを実施した。半導体分野のインドへの投資に関心ある日系企業の関係者約50人が参加し、整地作業が進んでいるタタ・エレクトロニクスの工場建設予定地や、産業インフラの整備状況などを視察した。ドレラSIRの関係者によると、2024年中に州最大のアーメダバード市とドレラSIRを結ぶ高速道路が、2025年7月には現在建設中のドレラ国際空港で貨物便が就航する予定だという。
(注)台湾中北部の苗栗県にある新竹サイエンスパークに建設された300ミリのウエハーに対応する新工場。初期の生産能力は月産9,000枚だが、段階的に5万枚規模にまで引き上げる計画。幅広いニーズに向けて28〜55ナノメートル(nm)の成熟プロセスでの量産に対応する。
(飯田覚)
(インド)
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