豪雨被害の復興目指すリオグランデ・ド・スル州知事、日本との連携呼びかけ

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2024年09月11日

2024年4月末に豪雨により深刻な被害を受けたブラジル南部リオグランデ・ド・スル州のエドゥアルド・レイテ州知事が9月9日、ブラジル日本商工会議所などと共催で、復興に向けて前進する同州の現状と、日本企業との連携を呼びかける講演を行った。講演はサンパウロ市内のジャパンハウスで開催され、日系企業を中心に約100人が参加し、満員の会場は熱気に包まれた。

同州は国内5位の経済規模を誇り、製造業から農畜産業まで幅広い分野でブラジル経済に大きな影響力を有する。経済的に重要な位置を占める同州の早期復興は、安定的な経済成長を目指す経済界も強く望んでいる。

今回の講演会でレイテ知事は冒頭、「(今回の豪雨災害について)ブラジル史上最悪の災害で、広い範囲に被害が及んだが、現在、復興は軌道に乗っている。さまざまな災害を乗り越えてきた日本の知識や経験はわれわれにとって重要で、日本との絆を深めていきたい」と語った。

また、同知事は、豊富な高度人材や、治安のよさ、他のメルコスール諸国に隣接した戦略的なロケーションなど、ブラジルのビジネス環境の良さをアピールした。産業政策については、従来、同州経済を支える製造業や農畜産業などに加えて、風力発電やグリーン水素など脱炭素に資する取り組みを推進していることなどを紹介。グリーン水素については「州内でも(グリーン水素を活用できる産業が多いため)需要が高くなる可能性があり、今後の成長が期待できる分野」と説明した。このほか、民営化やインフラ整備なども進めると述べた。

同知事は「一連の復興への取り組みを通じて、単に元の状況に戻すのではなく、さらなる成長につなげたい。さまざまな投資機会があり、その中で日本との連携も深めていきたい」と日本への期待を示した。

(井上徹哉)

(ブラジル、日本)

ビジネス短信 8798c028914315c4