ペートンタン首相が施政方針を発表、10項目について喫緊に取り組む
(タイ)
バンコク発
2024年09月20日
タイのペートンタン・チナワット首相は9月12日、国会で施政方針を発表した。この施政方針の中で政権が喫緊に取り組む10項目の政策が示された。概要は次のとおり。
- 自動車ローンと住宅ローンの再編を実施し、債務問題を解決する
- 外国企業との不公平な競争から中小企業を保護、支援する
- エネルギーコストと公共料金を引き下げ、直接電力購入契約(Direct PPA)などの規制を整備する
- 国家の歳入創出のために、非公式経済(Informal Economy)と地下経済(Underground Economy)に対し、税制を導入する
- 景気刺激対策として、デジタルウォレット政策を進める
- 技術促進により農家の所得を向上させる
- カジノを含む複合娯楽施設などの観光施設の建設を増やし、観光を促進する
- 近隣諸国と連携し、麻薬問題を解決する
- サイバー犯罪や国境を越える犯罪への対策に取り組む
- 社会福祉を増進する
また、ペートンタン首相は、中長期的な政策として、タイの競争力を向上させると強調した。加えて、現地調達率を向上させ、自動車産業の電気自動車(EV)への移行促進させること、 データセンターや半導体などの産業促進についても述べた。さらに、セター・タビシン前首相が推進した計画を継続することも説明し、南部におけるランドブリッジ構想、コンテンツ産業などのソフトパワー(注)の振興、カーボンニュートラルの実現、PM2.5などの大気汚染問題の解決、憲法改正なども取り上げた。
(注)ソフトパワーとは、その国が持つ文化や価値観で他国を魅了することで理解、共感などを得る力のこと。タイ貢献党の主要政策にも掲げられており、同党はソフトパワーを育成する分野として、現代アート、デザイン・工芸・ファッション、観光、スポーツ、食品、映画、書籍、音楽・祭典を掲げていた。
(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)
(タイ)
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