スウェーデン、政策金利を引き下げ、ノルウェーは据え置き
(スウェーデン、ノルウェー)
ロンドン発
2024年08月23日
スウェーデン国立銀行(中央銀行)は8月20日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.50%とすることを発表した。翌21日から適用した。引き下げは5月に約8年ぶりに実施して以来、2024年に2度目となる(2024年5月9日記事参照)。
インフレ率が目標水準で安定しつつある一方、国内の経済活動が弱まっているとして、利下げに踏み切った。インフレ見通しが変わらない場合、年内にさらに最大3回の引き下げを検討していると述べた。前回6月に据え置きを発表した際の利下げのペースを速めたかたちだ。2024年内は9月、11月、12月の3回会合を開催する。
スウェーデンのインフレ率(金利変動の影響を除いたCPIF上昇率)は、6月1.3%、7月1.7%と、2カ月連続で目標の2%を下回っている。同じく8月20日に発表された金融政策報告書では、中銀はエネルギー価格が前年の水準を下回っていることから、今後数カ月はインフレ率が2%をわずかに下回る水準が続くと予想している。また、報告書内では、スウェーデンは緩やかな景気後退にあると指摘。2021年末以降、GDPはほぼ横ばいで、低迷しているのは主に家計消費や住宅投資など、金利に敏感な部分と指摘した。
一方、ノルウェーでは、ノルウェー銀行(中央銀行)が8月15日、政策金利を4.5%で据え置くと発表した。
中銀は、インフレの高止まりリスクと、低成長となった経済の冷え込みとのバランスを取ることが必要とした。イーダ・ウォルデン・バーチェ総裁は「政策金利は、今後しばらくは現在の水準に維持される可能性が高い」と述べた。
ノルウェーの7月のインフレ率(CPI)は前年同月比2.8%で、目標の2%水準に近づいている。一方で、通貨ノルウェー・クローネの下落や、近年の急激な賃金上昇などが今後のインフレ率の高止まりにつながる恐れがあるとした。6月に発表された金融政策報告書では、インフレ率は2027年末にかけて2%の目標に近づくと予想されている。
(松丸晴香、篠崎美佐)
(スウェーデン、ノルウェー)
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