第2回AZEC閣僚会合開催、アジア・ゼロエミッションセンターを立ち上げ
(インドネシア、ブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、オーストラリア、日本)
ジャカルタ発
2024年08月27日
アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)パートナー国の11カ国(注)の閣僚などが参加する第2回AZEC閣僚会合が8月21日、インドネシアのジャカルタで開催された(経済産業省プレスリリース8月21日付)。インドネシアのエネルギー・鉱物資源省と日本の経済産業省が共同議長を務めた。
会合の成果として採択された共同声明では、温室効果ガスの排出量を大幅に、迅速かつ持続的に削減することが緊急に必要としたうえで、カーボンニュートラル、ネットゼロ排出に向けた多様かつ現実的な道筋の存在を認識するとした。具体的な取り組みとして、水素、アンモニア、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)に関する制度の他国の事例を共有することや、発電部門を含め各国の実情に沿ったネットゼロ排出に向けた脱炭素ロードマップ改定版の公表などを含む「ゼロエミッション電力促進イニシアチブ」、航空分野における持続可能な航空燃料(SAF)の使用拡大などを含む「持続可能燃料市場創出イニシアチブ」、カーボンニュートラル工業団地の創設や次世代自動車産業戦略に向けたエネルギー供給のマスタープラン策定などを含む「次世代産業構築イニシアチブ」の3つのイニシアチブを歓迎した。
また、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)内に設立されたアジア・ゼロエミッションセンターの立ち上げ式も行われた。同センターは、上記イニシアチブに関連する地域協力の方向性などに関する報告書の作成やステークホルダーの関与促進を設立の目的とする。アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は同センターの設立を、持続可能な未来の実現を目指すうえで重要なマイルストーンになると評価した上で、「気候変動への対応は喫緊の課題であり、すべての国による迅速かつ断固たる行動が必要である」と強調した(インドネシア経済担当調整省プレスリリース8月21日付)
今回の会合では、民間企業間や政府間で締結される68件の協力覚書について、各国閣僚により確認された。九電工(本社:福岡県)とインドネシアの国営電力会社(PLN)で締結されたインドネシアの島しょ部の再生可能エネルギー普及に向けた協力や、日本グリーン電力開発(本社:東京都)とインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)、バイオ燃料開発会社の3者で締結されたココナッツ由来SAFの製造ロードマップ構築などに関する覚書が含まれている。
(注)AZECパートナー国は、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナムの11カ国。
(大滝泰史)
(インドネシア、ブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、オーストラリア、日本)
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