フィンランド、小売店で販売できる発酵酒のアルコール度数を引き上げ
(フィンランド)
ロンドン発
2024年06月13日
フィンランド議会は6月5日、小売店で販売できる発酵酒類(注)のアルコール度数の上限を5.5%から8.0%に引き上げるアルコール法改正案を可決し、同法は6月10日から施行された。
フィンランドでは、アルコール消費による健康への悪影響を防止するため、国営企業のアルコ(Alko)にアルコール小売販売の独占的権利を与えており、一般の小売店にはアルコール度数5.5%以下の酒類の販売しか認めてこなかった。
今回の法改正により、新たにアルコール度数5.5%超~8.0%までの発酵酒類も小売店で販売できるようになる。発酵酒類に当たらない蒸留酒は、引き続き5.5%以下の商品のみ小売店での販売が認められる。
アルコール消費の増加による健康への悪影響の懸念から、6月5日の議会の採決では、賛成102票、反対80票となった。フィンランド政府は、欧州の方針に沿って責任ある対策を講じ、アルコール規制を緩和するとし、サンニ・グラン・ラソネン社会保障相は、今回の決定が可能なのはアルコールの総消費量が減少しているためだと述べた。
フィンランド国営メディアYleの報道(6月9日付電子版)によれば、同国の大手小売りチェーンであるKグループとSグループは、取材に対して6月10日からアルコール度数の高い酒類を販売する予定だと答えた。
(注)ビール、シードル、ワインなど発酵により製造される酒類。
(林伸光、半井麻美)
(フィンランド)
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