イラン暦1402年の輸出総額は約9％減、輸入総額は約4％増

イラン経済財務省のムハンマド・レズワニーファル経済担当副大臣兼税関局長は、イラン暦（注）1402年（2023年3月21日～2024年3月19日）の輸出総額（石油、サービスなどを除く）が前年比8.87％減の493億3,000万ドル（石油、サービスなどを含む場合、868億9,000万ドル）、輸入総額が前年比4.39％増の662億8,000万ドルだったと発表した。今回の発表では、特に石油の輸出が前年比8.6％増の358億7,000万ドルとなったことを強調した〔4月2日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。

また、1402年の統計では、イラン税関が商取引の動向や、新車、金、携帯電話など40の重要品目を指標とする報告書を初めてまとめ、同税関局長は同報告書によって、同国の貿易の実態が透明かつ明確に分析できるようになったとしている。なお、石油、サービスなどを含む場合の輸出総額は868億9,000万ドルで、特に石油の輸出が前年比8.6％増の358億7,000万ドルであったことが強調された（4月3日付IRNA）。

輸出では、石油ガス（前年比62.7％増）や鉄鉱石（前年比62.5％増）の金額の伸びが大きかった。上位3品目と上位3カ国はそれぞれ次のとおり。

【イランの輸出上位3品目】

• 液化天然ガス：30億9,000万ドル
• 液化プロパン：30億6,200万ドル
• 石油アスファルト：21億9,700万ドル

【対イラン輸出上位3カ国】

• 中国：139億1,500万ドル
• イラク：92億1,500万ドル
• アラブ首長国連邦（UAE）：66億1,100万ドル

なお、トルコとインドを合わせた輸出相手国上位5カ国で輸出総額の73.1％を占めるとした。

輸入については、金地金やトラクター、自動車部品が大きく伸び、小麦や米、大豆といった食品類は大きな減少を記録した。輸入についての上位3品目と3カ国は以下のとおり。

【イランの輸入上位3品目】

• 家畜用トウモロコシ：37億8,300万ドル
• 携帯電話：29億600万ドル
• 金地金：9億3,600万ドル

【対イラン輸入上位3カ国】

• UAE：207億8,200万ドル
• 中国：185億4,500万ドル
• トルコ：75億4,100万ドル

なお、ドイツとインドを合わせた上位5カ国で輸入総額の76％を占めるとした。

（注）イランの会計年度は、春分を新年とする太陽暦のイラン暦に基づき、西暦3月21日ごろ～翌年3月20日ごろ。

（マティン・バリネジャド、加藤皓人）