欧州復興開発銀行にサブサハラ・アフリカから加盟へ

(コートジボワール、EU、ベナン、セネガル、ガーナ)

アビジャン発

2024年05月07日

コートジボワール政府は2024年4月17日、欧州復興開発銀行(EBRD)への加盟を閣議承認した。加盟に続き、今後、支援対象国化に必要な審査や手順が完了すれば、コートジボワールは2025年にもEBRDの支援対象国となる。コートジボワールの加盟は、EBRDによるサブサハラ・アフリカへの業務拡大の第一歩となる。

EBRDは、2023年5月にサマルカンド(ウズベキスタン)で開催された年次総会で、業務の地理的範囲をサブサハラ・アフリカ諸国およびイラクに「限定的」かつ「段階的」に拡大する決議案を採択し、第1段階として2025年から2030年にかけて、同地域で最大6カ国を追加する計画を発表していた。

これを受けてコートジボワール政府は、2023年8月に加盟を申請し、同10月にベナンとともにEBRD総務会により加盟申請が承認された。EBRDのオディール・ルノーバッソ総裁は「ベナンとコートジボワールを新たに加盟国として迎えることができ喜ばしい。サブサハラ・アフリカ地域への業務拡大は、EBRDの戦略的目標であり、他のパートナーとともに民間部門の潜在力を引き出し、雇用を創出し、持続可能な開発を促進することを目的として、サブサハラ・アフリカ諸国に対する国際協力を一層推進していきたい」と述べた。

また両国に続いて、セネガルとガーナが加盟を申請し、2024年2月にそれぞれが承認された。これら4カ国は、加盟に加え、支援対象国となることも希望しており、そのための審査が別途実施される。また、その前提として、支援地域を拡大するためのEBRD設立協定の改正が必要となる。

EBRDは、ロンドンに本拠地を置く国際開発金融機関で、加盟国は2023年5月現在、71カ国・2機関。日本は創立時からの加盟国で、資本の8.6%を保有し、理事会に代表を出している。1991年の設立以来、6,969件のプロジェクトに1,900億ユーロ以上を投資し、30以上の国・地域で民間セクターを発展させるための政策を支援してきた。その投資対象は、天然資源、金融機関、農業ビジネス、製造業、サービス業に加え、電力や再生可能エネルギーなどのインフラプロジェクト、自治体サービスの向上など多岐にわたる。また、加盟国企業が支援対象国で事業展開するために必要な長期資金の融資や、海外合弁企業への出資を行っており、日本企業による案件もみられる。

(渡辺久美子)

(コートジボワール、EU、ベナン、セネガル、ガーナ)

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