スウェーデン中銀、8年ぶりの利下げを発表

(スウェーデン)

ロンドン発

2024年05月09日

スウェーデン国立銀行(中央銀行)は5月8日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.75%とすることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料図1参照)。5月15日から適用する。インフレ率が長期的に目標に近い水準を維持する見通しが強まっている一方、国内の経済活動が弱まっているとして、利下げに踏み切った。利下げが行われるのは2016年2月以来8年ぶり。

中銀はさらに、インフレ見通しが維持されるようであれば、2024年下半期にさらに2回の利下げを行うとした。一方で、米国の経済状況や地政学的な緊張、通貨スウェーデン・クローナの為替レートなどの影響により、インフレ率が上昇するリスクは残るとしている。これを踏まえ、今後の金融政策の調整は慎重に行うとしている。なお、中銀は3月に発表した金融政策報告書の中で、2025年第1四半期(1~3月)の政策金利(平均)を3.20%と予測している。

スウェーデンの3月のインフレ率(金利変動の影響を除いたCPIF上昇率)は、前月比0.3ポイント減の2.2%と低下。目標の2%に近づいていた。一方で、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は前期比マイナス0.1%となっており、3四半期連続のマイナス成長となっていた(添付資料図2参照)。

「アフトンブラーデット」紙(5月8日付)は、スウェーデンの大手銀行4行が今回の利下げを受け、住宅ローン変動金利を引き下げたと報じている。

(山田恭之、篠崎美佐)

(スウェーデン)

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