サウジアラビア外務省、イスラエル軍のラファ標的に対し警告発表

(サウジアラビア、イスラエル)

リヤド発

2024年05月09日

サウジアラビア外務省は5月6日、X(旧Twitter)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区全域への攻撃とラファを標的とすることの危険性を警告する声明を発表した。声明では、イスラエル軍の大規模な破壊によって安全な避難地域がない状況で、「イスラエル軍がガザ地区全域を攻撃する残虐で組織的な活動の一環」として、ラファを標的とすることの危険性について警告した。

同省はイスラエル軍の進軍停止を求め、「イスラエルが全ての国際決議や国際法、国際人道法を順守しないことについて、断固拒否する」との姿勢を表明した。これらの行為は人道的危機を悪化させ、国際的な平和への努力を損なうものとして、同省はイスラエル軍がパレスチナ自治区で市民に行っている侵攻作戦を停止させるため、国際社会に対し速やかに介入するようあらためて呼びかけた。

また、5月7日に開催されたアラブ議会(注)では、イスラエル軍によるラファ攻撃の動きとパレスチナ自治区の制圧を強く非難した。これらの行為は「停戦に向けたこれまでの努力を無駄にし、イスラエルのガザ地区侵攻が始まって以来、パレスチナの人々が直面する前例のない人道的大惨事を悪化させる」と強調した。

さらに、アラブ議会は今回発表した声明で、イスラエルによる攻撃は負傷者や病人にとっての環境をいっそう厳しいものにすると言及し、ガザ地区の医療システムを崩壊させ、イスラエルが人道支援と救援物資の唯一の安全なルートを管理したことによって悲惨な状況となっているとした。アラブ議会は国際社会や国連安全保障理事会、米国に対し、今後さらなる危機を防ぎ、イスラエルに持続可能で即時かつ恒久的な停戦に同意させること、同国に最大限の圧力をかけることを求めた(5月7日付サウジアラビア国営通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。

(注)2001年のアラブ連盟の首脳会談で、同連盟の常設機関(立法府)として創設に合意。同連盟に加盟する21カ国・1機構から選出された88人のメンバーで構成している。

(林憲忠)

(サウジアラビア、イスラエル)

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