2024年ラオス・ベトナム貿易協定を調印

(ラオス、ベトナム)

ビエンチャン発

2024年05月01日

ラオスのマライトーン・コンマシット商工相とベトナムのグエン・ホン・ジエン商工相はラオスの首都ビエンチャンで4月8日、2024年ラオス・ベトナム貿易協定に調印した〔原文(英語)は添付資料参照〕。同協定は2015年に両国が締結した貿易協定について、3年以上の交渉を経て改正したものだ。両国内の手続きを経て、通知が完了してから60日後に発効する。

同協定は15条と5つの付属書(1a、1b、2a、2b、3)で構成する。原則として付属書に規定する条件付きの品目を除く全品目について、原産地証明書(Form S)の提出により関税を免除する。5つの付属書の構成は次のとおり。

  • 付属書1a:ベトナムからラオスへの輸出の際に、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の関税率より50%削減した優遇関税率を適用する品目リスト。肉製品などの27品目が対象。
  • 付属書1b:ラオスからベトナムへの輸出の際に、ATIGAの関税率より50%削減した優遇関税率を適用する品目リスト。コメやサトウキビなどの14品目が対象。
  • 付属書2a:ベトナムからラオスへの輸出の際に、関税率を免除しない112品目のリスト。
  • 付属書2b:ラオスからベトナムへの輸出の際に、関税率を免除しない182品目のリスト。
  • 付属書3:ラオスからベトナムへの輸出の際に、ベトナム側が設定した年間輸入割当枠内で関税を免除する品目リスト。タバコやコメなどの16品目が対象。

同協定では特に、ラオスからベトナムへの輸出を促進するために、付属書3に挙げるラオス産タバコ葉3,000トンとコメ7万トンを年間輸入割当枠とし関税を免除した。同様に付属書1bで挙げているラオスからベトナムに輸出されるサトウキビ・同製品(HSコード1701)には、ATIGAの50%相当の優遇関税率を適用するが、ベトナム政府が毎年、全WTO加盟国向けに定めている輸入枠の総量を超えないものとした。今回の改正では、貿易円滑化のほかに、電子商取引の促進、密輸やマネーロンダリング対策、違法な国際輸送対策への協力も盛り込んだ。

ラオス商工省の貿易統計によると、2023年のラオスとベトナムの貿易総額は17億3,900万ドル(前年比2.6%増)だった。うちベトナムからラオスへの輸出は石油、鉄鋼、機械設備などで3億4,900万ドル(13.1%減)、ラオスからベトナムへの輸出は天然ゴム、木材、鉱石、電力などで13億9,100ドル(7.5%増)と、ラオスの貿易黒字となっている。

(山田健一郎)

(ラオス、ベトナム)

ビジネス短信 a42cc16e877d3e0b