英国がCPTPPの批准手続き完了、あと3カ国の批准で発効
(英国、日本、ペルー)
ロンドン発
2024年05月21日
英国政府は5月17日、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)の批准手続きを完了したと発表した。グレッグ・ハンズ・ビジネス・通商省国務相(通商政策担当)が、ペルー訪問中にペルーとの租税条約の妥結に合わせて発表した。CPTPPに関する2024年通商法は、上下両院の承認を経て3月20日に国王裁可されていた。
ハンズ・ビジネス・通商省国務相は「新しい市場へのアクセスや既存の輸出の煩雑な手続きの削減を通じて、CPTPPが英国企業にどれほどの利益をもたらすかを知っており、批准を完了させるために急いできた。できるだけ早く発効までのカウントダウンを進められるよう、当初予測していた7月よりも前倒しできてうれしく思う」と述べた。
2024年内に発効するためには、10月までに英国に加えて6カ国以上の批准が必要(注1)であり、これまでに日本、シンガポール、チリが批准手続きを終えている。
CPTPPでは、日本から英国への輸出について、精米(短・中粒種)などの関税撤廃を新たに獲得したほか、建機用タイヤなどについて日英経済連携協定(EPA)よりも早い時期に関税撤廃されることになっている(注2、注3)。
(注1)英国加入議定書は、英国および全てのCPTPP締約国による締結後、60日で発効。署名15カ月以内に英国および全てのCPTPP締約国が締結していない場合、英国および6カ国以上のCPTPP締約国が締結後(署名15カ月の時点でこの要件が満たされていれば、その時点から)、60日で発効。署名日は2023年7月16日。
(注2)例えば、完全精米(短・中粒種、HSコード10063092、10063094)は1,000キログラム当たり121ポンド(約2万4,079円、1ポンド=約199円))の関税が即時撤廃される。関税に関するその他の合意内容は、農林水産省資料、経済産業省資料および譲許表を参照。
(注3)CPTPPについては、ジェトロ「TPP11解説書(14.3MB)」も参照。
(林伸光)
(英国、日本、ペルー)
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