第1四半期の外資規制業種への投資、日本が過半数を占め首位

(タイ)

バンコク発

2024年05月02日

タイ商務省(MOC)は4月24日、2024年3月の外資規制業種の認可状況を公表した。1~3月累計(第1四半期)の事業認可件数は前年同期比2.3%増の178件となり、内訳は外国人事業ライセンス(FBL)が53件、外国人事業証明書(FBC)が125件だった(注)。投資総額は前年同期比8.6%増の約359億200万バーツ(約1,508億円、1バーツ=約4.2円)となり、849人の新規雇用に貢献した。国別にみると、日本が約190億600万バーツ(構成比52.9%)、40件で金額、件数ともに首位だった。次いで、シンガポールが約32億9,400万バーツで32件、中国が約28億8,600万バーツで20件、米国が約10億4,800万バーツで29件だった。

国別の認可事業は次のとおり。

  • 日本:広告、アセチレンブラックの製造用設備の設計・調達、太陽光発電の下請け、光ファイバー・照明・自動車・金属など部品の下請け製造、あらゆる産業の商品と原材料・部品の調達に関わる輸出入
  • シンガポール:リハビリセンター、電子商取引(EC)プラットフォーム、ソフトウエア開発・販売、関連会社やグループ会社向けサービス(会計・マーケティングなど)、金型・自動車部品・バイオプラスチック製品の下請け製造
  • 中国:関連会社やグループ企業向けサービス(工場のリース)、金型・産業用プラスチック部品・香料の下請け製造業、金属切断加工(コイルセンター)、ソフトウエア開発・販売、飲食販売事業のフランチャイズ権の提供
  • 米国:エンジニアリング・サービス、電子機器・コンピュータなど商品の調達・販売の仲介・代理店、インスタント食品・飲料や産業用機械の小売り、マネジメント・コンサルティングや保険証券の保護に関する情報提供などのサービス、自動車用ハンドル・ブレーキの下請け製造

1~3月に認可された案件のうち、東部経済回廊(EEC)への投資案件は56件で、投資金額は約116億2,900万バーツと、認可総額の32.4%を占めた。国別にみると、日本が約9億9,500万バーツ(構成比8.6%)で12件となり僅差でトップ、中国が約9億2,400万バーツで12件、シンガポールが約8億9,800万バーツで8件の順だった。

(注)商務省が外資規制業種への参入を認可する際、次の2種類の方法がある。外国企業が商務省へ直接認可を申請する「外国人事業ライセンス(FBL)」と、外国企業がタイ投資委員会(BOI)などから投資奨励を得た上で、商務省に申請する「外国人事業証明書(FBC)」。

(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)

(タイ)

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