最低賃金などの改定で合意
(モロッコ)
ラバト発
2024年05月08日
モロッコで4月29日、アジズ・アハヌッシュ首相および複数の労働組合代表、関係団体代表らは2年ぶりに最低賃金などの改定で合意した。民間部門、公共部門あわせて計400万人以上が恩恵を受けるとされる。主な改定項目は次のとおり。
- 公共部門給与(賃上げを既に行った教育部門と医療部門を除く)は手取り月額1,000ディルハム(約1万5,570円、1ディルハム=約15.57円)引き上げられる。引き上げ時期は2024年7月から500ディルハム、2025年7月から500ディルハム。
- 非農業部門の法定最低賃金(SMIG)を3,111ディルハムから10%引き上げる。具体的には2025年1月にまず5%引き上げられ、2026年1月に再び5%引き上げられる予定。また、農業部門における法定最低賃金(SMAG)も10%引き上げられることが合意され、2025年4月と2026年4月の2回に分けて5%ずつ引き上げられる。
- 所得税(IR)減税は公共、民間部門を対象とし、(1)免税対象の年間最低所得額(ネット)を3万ディルハムから4万ディルハムに引き上げる一方、(2)年間所得180万1ディルハム(1,800,001ディルハム)以上に対する所得税率を38%から37%に引き下げる。2025年1月に得た所得から改定の対象となる。
(本田雅英)
(モロッコ)
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