ウズベキスタンとロシア、ウズベキスタン市場での協力加速

(ウズベキスタン、ロシア)

タシケント発

2024年05月20日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は510日、今日の課題と諸外国との協力計画に関する会議を開催した。ロシア、中国、カタール、サウジアラビアなどのパートナーと共同で実施するプロジェクトや投資プログラムに議論の重点を置いた。また、4月下旬に開催された国際産業展示会イノプロム・中央アジアについて、ロシアとの貿易・経済協力の顕著な成功例として挙げた。協力の優先事項の中で、ウズベキスタンは2023年に100億ドルだったロシアとの貿易額を2030年までに倍増させる目標を掲げた(ウズベキスタン大統領府ウェブサイト510日)。同大統領は58日に開催された最高ユーラシア経済評議会にオブザーバー国の元首として出席するため、モスクワを訪問したばかりだった(2024年5月14日記事参照)。

42224日にタシケントで開催された第4回イノプロム・中央アジアには、ロシアを中心に中国、ベラルーシ、ウズベキスタンなどから400社以上が参加し、40億ドル相当、45件の契約が締結された(注)。ロシアから14の地方自治体が共同ブースを出し、地方間の協力と投資に関心を示した。また、冶金(やきん)企業メタロインベストとセベルスタリ、工業分野の国営コングロマリット・ロステフなどの有力企業が出展した。

写真 国際産業展示会イノプロム・中央アジアの入り口に展示された農業機械と車両(ジェトロ撮影)

国際産業展示会イノプロム・中央アジアの入り口に展示された農業機械と車両(ジェトロ撮影)

ジェトロが422日にインタビューしたロシア企業11社の約半数に当たる5社は、同展示会に初参加で、ウズベキスタン市場への参入を開始したところだった。展示会に少なくとも2回は参加しているというロシアの産業用ドローンメーカーのジオスキャンは2年前からウズベキスタンに空撮用ドローンを販売している。今回で3回目の出展となる自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)は高級水素自動車「アウルス」を展示していた。同研究所の代表者によると、ウズベキスタン自動車公社(ウズアフトサノアト)向け供給を念頭に置いて水素燃料電池の実験も行っているそうだ。

写真 ロシア自動車・エンジンア中央科学研究所(NAMI)が開発した水素自動車「アウルス」(ジェトロ撮影)

ロシア自動車・エンジンア中央科学研究所(NAMI)が開発した水素自動車「アウルス」(ジェトロ撮影)

(注)同展示会は2021年から毎年、ロシア産業商務省とウズベキスタン投資産業貿易省の共催で、タシケントで開催されている。2021年の第1回展示会で締結された契約は21件、1億2,800万ドル相当だった。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、ロシア)

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