李強首相がモーターショー視察、外資系企業との連携の重要性を示す

(中国、米国)

北京発

2024年05月01日

中国の李強首相は4月28日、北京市で開催中の北京モーターショー(2024年5月1日記事参照)を視察した。李首相は、知能化・ネットワーク化した新エネルギー車を積極的に開発し、技術革新により産業革新を導き、オープンな協力を深化・拡大する必要があると強調。自動車産業のハイエンド化、知能化、グリーン化を進め、市場ニーズを満たすとともに需要を創出する必要があるとした。

また、現在の自動車製品は単なる移動手段ではなく、テクノロジーを総合的に活用した複合システムであるとした。その上で、知能化・ネットワーク化した新エネルギー車は、複数のテクノロジーを融合させた「大型ターミナル」と呼ぶことができると指摘した。多くの自動車関連企業がコア技術の研究を加速し、産業チェーンの連携を強化し、自動車産業の継続的な発展を促進するとともに、世界のグリーン・低炭素化への貢献を期待すると述べた。

さらに、中国は高水準な対外開放の拡大、市場アクセスの拡大、貿易・投資の自由化・円滑化を促進するとした。外資系企業に対しては、国内企業と平等に扱い、中国系・外資系の自動車関連企業による資本、技術、経営、人材などの分野での連携を強化し、より広範な交流と協力を実施すると述べた。外資系企業と国内企業が、中国市場でのビジネスチャンスを共有し、技術革命と産業変革において、互恵・ウィンウィンの結果を目指すとした。

中国政府の発表によると、李首相は東風汽車、比亜迪汽車(BYD)、智己汽車、極越汽車、BMW、吉利汽車、小米(シャオミ)汽車、賽力斯集団(セレス)、小鵬汽車(XPeng)などのブースを視察し、各企業の責任者に研究開発や生産、販売の状況について質問した。

イーロン・マスクCEOと会見、外資系企業の重要性を説く

李首相は4月28日、米国の電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と北京市で会見をした。

李首相は会見で、中国と米国の経済は深く連動しており、お互いが相手の発展から恩恵を受けることができると述べた。さらに、テスラの中国における事業展開は中米経済貿易協力の成功例とし、平等な協力と相互利益が両国にとって最大の利益であり、両国国民の共通の願望であるとした。

また、李首相は、外資系企業は中国の発展に不可欠かつ重要な参加者・貢献者であり、中国の巨大市場は常に外資系企業に対して開かれているとした。そして、中国は世界中の企業が安心して中国に投資できるよう、より良いビジネス環境と支援を提供するとしつつ、そのために市場アクセスの拡大とサービスの保障の強化に取り組むと強調した。

(亀山達也)

(中国、米国)

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