ハマスがガザ休戦案受け入れを表明、イスラエルはラファでの作戦継続を決定

(イスラエル、パレスチナ、カタール、エジプト)

テルアビブ発

2024年05月07日

イスラエルとハマスとの間で戦闘休止や人質の解放に向けた交渉を巡り、ハマスは5月6日、パレスチナ自治区ガザ地区での休戦案を受け入れると発表した。「i24ニュース」(5月7日)によると、ハマス最高指導者のイスマイル・ハニヤ氏は、カタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相兼外相、エジプトのアッバス・カメル情報庁長官と電話で会談し、ハマスが休戦案に同意したことを伝えたという。

カタール外務省のマジェド・ビン・ムハンマド・アル・アンサーリー報道官は5月7日、ハマスが休戦案に対する回答を仲介国に送り、その回答は「肯定的なものだった」と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。アンサーリー報道官によると、カタールの代表団は7日の朝にエジプトのカイロに向かい、仲介国を通じたイスラエルとハマスとの間接的な交渉を再開する予定だ。アンサーリー報道官は併せて、ガザ地区における即時かつ恒久的な停戦と囚人や拘束者の交換、同地区全域への持続可能な人道援助の流入に関する合意に達するよう、カタールの期待を表明した。

カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」(5月6日)によると、休戦案は3段階の休戦を各42日で行うもので、第1段階では、ハマスが33人の人質を解放し、イスラエルは人質1人の解放につきパレスチナ人30人(イスラエル女性兵士の場合は1人につき50人)を刑務所から釈放する。第2段階では、イスラエル国防軍(IDF)がガザ地区から撤退し、第3段階では、イスラエルとハマス双方の遺体や遺骨が交換され、ガザ地区の復興計画が開始されるとしている。

一方、イスラエル首相府は5月6日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「ハマスの提案はイスラエルの要求からは程遠いが、イスラエルは代表団を派遣し、イスラエルが受け入れられる条件での合意の可能性を探る」としたものの、「戦争内閣は、イスラエルが人質の解放と戦争の他の目標を達成するため、ハマスに軍事的圧力をかけるラファでの作戦を継続することを全会一致で決定した」ことを明らかにした。

ハマスの休戦案受け入れの発表を受けて、イスラエルの商業都市テルアビブでは、人質の家族や支援者らが、イスラエル国防省本部前の道路を占拠し、イスラエル政府が休戦案を受け入れるよう求めた。

写真 イスラエル国防省本部前の道路を占拠する人質家族や支援者(ジェトロ撮影)

イスラエル国防省本部前の道路を占拠する人質家族や支援者(ジェトロ撮影)

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、カタール、エジプト)

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