第1四半期のハイテク投資総額、前年同期比並みの17億ドル超

(イスラエル)

テルアビブ発

2024年05月01日

イスラエルのハイテク分野に特化した調査会社IVCと、ハイテク向け金融サービス会社レウミテックは4月18日、2024年第1四半期(1~3月)のイスラエルのハイテク企業の動向をまとめた「イスラエル・テックレビュー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。

同報告書によると、2024年第1四半期の投資件数は113件で、2022年第1四半期以来の前期比増となった。投資総額は17億3,600万ドルで、イスラエルとハマスの軍事衝突(2023年10月10日記事参照)が継続する中で、前年同期(17億6,600万ドル)とほぼ同水準だった。1億ドルを超えるディールは7件あり、投資総額の49%を占めた。

ステージごとにみると、アーリーステージの投資額は5 億5,400万ドル(前年同期比5.5%減)で、ミドルレーターステージは11億8,200万ドル(同0.3%増)だった。

投資家別にみると、ベンチャーキャピタル(VC)関連の投資額は16億2,600万ドルで、非VC関連は1億900万ドルにとどまった。

分野別では、3件のメガラウンド(3件で合計4億ドル)を含むサイバーセキュリティー分野が6億ドルを超え、IoT(モノのインターネット)が3億2,000万ドル、フィンテックが2億5,400万ドルと続いた。

外国投資家による投資は323件で、投資額は10億2,900万ドルだったのに対し、イスラエル投資家による投資は276件で、投資額は7億1,500万ドルだった。

ハイテク分野の投資回収(イグジット)をみると、M&Aが23件で、29億2,100万ドルとなった。ハイテク企業のIPO(新規株式公開)はなかった。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(アンナ・ジュコブ、中溝丘)

(イスラエル)

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