アルジェリア国立統計局、平均賃金データを発表

(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)

パリ発

2024年05月21日

アルジェリア国立統計局(ONS)は2024年5月、「2021年賃金慣行レポート」を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。現地雇用の賃金情報は、現地へ進出する際に重要だが、アルジェリアの当該データはこれまでほとんど発表されてこなかった。

同国における2021年の名目賃金の平均上昇率は、前年比1.4%を記録した。農業や行政部門を除き、全業種の平均賃金(手取り、月額)は4万2,848アルジェリア・ディナール(AD、約4万8,936円、1AD=約1.1円)となり、公的部門で6万100AD、民間部門では3万4,900ADとなった。

最も平均賃金が高かったのは、同国の主要産業である石油・天然ガス採掘産業で、11万1,808ADだった。管理職が占める割合が比較的に高いことなどが主な理由とされている。次いで、金融(6万2,796AD)、電力・水・ガス製造・販売(4万8,784AD)となっている。一方、建設業(3万2,466AD)、不動産・企業へのサービス業(3万5,740AD)、宿泊・外食業(3万5,948AD)は全業種の平均賃金を下回る(添付資料表参照)。これらの部門では、一般作業員の割合が比較的に高いことが平均賃金を引き下げているという。

同データによると、全業種において、賃金は年間収入の58%、各種ボーナスおよび手当は同42%を占める。

なお、フランスなど欧州企業の輸出型製造拠点が多い北アフリカ地域の中で(2024年1月16日付地域・分析レポート参照)、各国の国家統計当局のデータによると、アルジェリアの平均賃金はモロッコの平均賃金(3,800モロッコ・ディルハム:約5万8,404円、2019年時、1MD=約15.3円)より低いが、チュニジア(924チュニジア・ディナール:約4万5,743円、2022年時、1TD=約49.5円)より高かった。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)

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