国民投票で治安対策強化を支持

(エクアドル)

ボゴタ発

2024年04月24日

治安問題を抱えるエクアドルで、治安対策の強化の是非などを問う国民投票が4月21日に実施された。その結果、治安対策強化を望む国民の声が反映され、ダニエル・ノボア大統領が打ち出す治安対策を後押しするかたちとなった。

国民投票では主に治安対策強化に関連して、憲法の一部改正の可能性を視野に入れた5項目と、憲法改正を前提としない6項目の計11項目について、賛成か反対を表明する形式で実施された。4月23日時点の選挙管理委員会(CNE)の発表によると、組織犯罪の取り締まりに対する国軍の補完的な支援については72%が賛成、エクアドル人の外国への身柄引き渡しについては64%が賛成した。憲法専門の司法機関の設置については60%が賛成となった。これは、憲法専門の機関を各地に設置することで、管轄地以外での犯罪人に対する人身保護などの乱用を防ぐ意図とされている。

憲法改正を前提としない6項目の質問は、刑務所への武器搬入に対する国軍の監視、テロや麻薬密売など特定犯罪に対する刑罰の引き上げ、特定犯罪に対する減刑の廃止などで、いずれも60~70%が賛成の意思を示した。

治安対策強化以外に関しては、外国企業との投資、契約、商業上の紛争解決方法として国際仲裁を認めるかとの問いには65%が反対、有期雇用・パートタイム雇用を認めるかについては70%が反対という結果だった。これらはいずれも、左派ラファエル・コレア政権下で不可能となったもの。

(豊田哲也)

(エクアドル)

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