KFC、波乱の中でアルジェリア進出を果たす

(アルジェリア)

パリ発

2024年04月25日

フランス紙「ル・モンド」の4月18日の報道によると、米国ファストフード大手のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は4月14日、アルジェリアのアルジェ首都圏デリ・イブラヒム市に初店舗を開業した、としている。

しかし、イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が続き、イスラム諸国でマクドナルド、スターバックスなどの米国ブランドをボイコットする動きが広がっている中、当地におけるKFCの営業を許容することがイスラエルを支援することになるとの理由で、開業日に店舗前でKFCに抗議する活動が発生し、同店舗は15日と16日、一時的に閉店した。17日には、ビルの表にあったKFCの看板が外された状態で再開した。

写真 KFCの看板が外された店舗(4月19日、ジェトロ撮影)

KFCの看板が外された店舗(4月19日、ジェトロ撮影)

KFCホームページによると、アフリカ54カ国のうち、同チェーンは24カ国に進出しているが、4月19日時点ではアルジェリアがリストに記載されていない。

アルジェリアには、マクドナルドやバーガーキングなど、米国の外食大手はまだ進出していない。2023年9月にアルジェリア西部のオラン市にスターバックスと名乗る店舗が開店したが、スターバックス本社は進出を否定。同店舗は偽物だったことが判明している。

フランチャイズに特化した法的環境が整備されていないことと、ロイヤルティーの海外送金禁止措置が海外ブランドのアルジェリア展開を阻むとされている中、KFCの出店はメディアからの注目を集めていた。近年、積極的に外資規制を緩和し経済の多角化を図るアルジェリアで、店舗の運営が順調に進むか今後の動向が注目される。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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