米商務省、ロシアやベラルーシなどへの医療機器輸出に新たな許可例外を導入

(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

ニューヨーク発

2024年04月30日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は4月25日、ロシアやベラルーシの市民へ人道目的の医療機器の提供を可能にする新たな輸出許可例外を導入する最終規則を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。正式には4月29日付の官報で公示外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、同規則は同日に発効した。

具体的には、今回の最終規則によって、ロシアとベラルーシのほか、ロシアによって占領されているクリミア地域やウクライナの一部地域(注1)に、輸出管理規則(EAR)99(注2)に該当する先端技術を利用していない医療機器、関連する部品、構成品、付属品(accessories)、追加部品(attachments)であって、もっぱら医療機器向けに使用するか医療機器とともに使用する製品を輸出、再輸出、および国内移転する際に、BISからの輸出許可が不要となる。EAR上の医療機器の定義については、EAR772.1条によって、連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)201条に従うと定められている。

BISは発表で、今回対象とする医療機器などは人道支援の観点から、定期的に輸出申請を承認していたとし、米国の輸出者とBIS双方にとって負担軽減になるとしている。一方で、ロシアに対しては広範な輸出規制を維持しているとし、今回の規則で負担が軽減された分、ウクライナへの侵攻を支援し得る品目を対象とした輸出規制に一層注力すると述べている。

(注1)ウクライナの一部地域は、EAR 746.6(a)(2)条で「ドネツク人民共和国(DNR)」または「ルハンスク人民共和国(LNR)」と定められている。

(注2)EAR適用対象だが、規制品目リスト(CCL)で輸出管理分類番号(ECCN)が割り振られていない品目。通常は輸出許可は必要ないが、ロシアなどに輸出などする際は、EAR99対象品目でも許可申請が必要な場合がある。

(赤平大寿)

(米国、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)

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