AMRO予測、2024年のASEAN+3は4.5%成長

(中国、香港、韓国、ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、日本)

シンガポール発

2024年04月15日

シンガポールにある国際機関「ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)」は4月8日、ASEAN+3(中国・香港、日本、韓国)実質GDP成長率(経済成長率)の予測を発表し(AMROプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、2024年は前年比4.5%、2025年は4.2%との見通しを示した。

グループ別に経済成長率予測をみると、「+3」は2024年が4.4%、2025年が4.1%、ASEANは2024年が4.8%、2025年が4.9%と、2024年と2025年ともにASEANが「+3」を上回る。AMROは報告書の中で、ASEANの中ではミャンマー以外のASEAN加盟国の2024年の経済成長率が2023年を上回るとの予測になっている点を指摘するとともに、「財輸出の回復と堅調な内需が引き続きASEANの経済成長を牽引するだろう。観光業がパンデミック以前の水準に戻ることも、ASEANの大半の経済に恩恵をもたらすだろう」とした。

ASEAN+3のインフレ率の予測は、2023年の6.3%から、2024年が4.3%、2025年が3.7%へと緩やかになる。持続的な現地通貨安が物価を押し上げているラオスとミャンマーを除いた他の地域のインフレ率は、2023年の2.8%から、2024年は2.5%、2025年は2.3%へと低下する。AMROは「多くの国・地域におけるインフレ率の低下は、主に世界的な一次産品価格の継続的な安定と連動している。しかし、堅調な内需が物価に上昇圧力をかけているため、一部の国・地域のインフレ率は長期平均を上回りそうだ」とした。

またAMROは、「地域の予測に対するリスクバランスは下方に偏っており、特に食品を中心とする世界的な一次産品価格の急騰が主要なマクロ経済リスクだ」と指摘。ASEAN+3が直面している主なリスクとして、(1)世界的な一次産品価格の急騰のほかには、(2)中国の経済成長の鈍化、(3)米国大統領選挙の悪影響、(4)米国と欧州の急激な成長減速を挙げた。

(朝倉啓介)

(中国、香港、韓国、ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、日本)

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