第1四半期のGDP成長率は前期比1.3%、内需回復で2年3カ月ぶり高成長

(韓国)

ソウル発

2024年04月30日

韓国銀行(中央銀行)が4月25日に発表した2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比1.3%と、2021年第4四半期(10~12月、1.4%)以来9四半期ぶりの高い伸び率を記録した。同行は、民間消費、建設投資など内需が全体的に回復したことを高成長の要因として挙げている。

2024年第1四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。

  • 民間消費:財貨および飲食宿泊飲食や娯楽文化などのサービスが増加し、0.8%増。
  • 政府消費:物品費の支出などが増加し、0.7%増。
  • 建設投資:建物と土木が増加し、2.7%増。
  • 設備投資:輸送機器が減少し、0.8%減。
  • 輸出入:輸出はスマートフォンなどIT品目を中心に0.9%増、輸入は電気装備などを中心に0.7%減。

業種別にみると、農林漁業は栽培業を中心に3.1%減少、製造業は化学製品、輸送機器などを中心に増加して1.2%増、電気・ガス・水道事業は水道、下水および廃棄物処理、原料再生業を中心に1.8%増となった。さらに、建設業は建築、土木ともに増加して4.8%増、サービス業は卸・小売業および宿泊飲食業などを中心に増加し、0.7%増だった。

シン・スンチョル韓国銀行経済統計局長は同日の記者会見で、「今年第1四半期の建設投資の伸びは昨年第4四半期の落ち込みの反動によるところが大きく、民間消費も前年比1.1%増にとどまっている」と述べ、今後、内需回復の勢いが続くかどうか、見守っていく必要があるとの慎重な立場を示した。

(花輪夏海)

(韓国)

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