UAEで観測開始以来最大の豪雨が発生

(アラブ首長国連邦、オマーン)

ドバイ発

2024年04月19日

アラブ首長国連邦(UAE)で4月16日、1949年の観測開始以来最大の豪雨が発生した。国立気象センターの発表によると、現地時間16日午後9時までの24時間の降雨量は過去最大を記録し、特にアブダビ首長国の第2の都市アルアインのハトム・アル・シャクラ地区では、24時間の降雨量が254ミリに達した。世界銀行によると、UAEの年間降雨量は140~200ミリとされており、24時間で1年分以上の雨が降ったことになる。また、17日付のUAEの現地新聞「ナショナル」によると、北部のラスアルハイマ首長国で豪雨による洪水で少なくとも1人の死亡を警察が確認している。

ドバイ国際空港(DXB)では、豪雨の影響で航空便の遅延や運休が相次いだ。現地時間18日午前4時ごろ、第1ターミナルへの国際線航空会社の到着便の受け入れを再開したが、出発便については利用者に対して各航空会社への運行確認を求めており、空港へ入場できるのは航空便の予約者に限定している。また、ドバイを拠点とするエミレーツ航空は、ドバイ発の航空便のチェックインを停止していたが、現地時間18日午前10時ごろチェックインを再開した。

ドバイを拠点とする港湾管理会社DP(ドバイ・ポーツ)ワールドによると、主要港ジェベル・アリの港湾業務は通常どおり継続しており、全てのターミナルとゲートは開いたままという。DPワールドは17日付の発表で、道路渋滞により若干の遅延が発生する可能性はあるものの、混乱を最小限に抑えるための作業が進行中で、24時間以内に通常業務に戻る見込みと述べた。

UAEでは雨は既にやんでいるが、交通インフラに大きな影響が出ており、ドバイメトロでは一部区間の運休が続いている。また、道路が一部冠水し続けており、通行止めとなっている。ドバイ政府は政府職員の在宅勤務を19日まで延長するほか、私立学校も19日まで在宅学習となることを発表した。

また、隣国のオマーンでも豪雨と洪水の被害が出ており、オマーン国営通信社によると、少なくとも19人の死亡が確認されている。

(太田尭久)

(アラブ首長国連邦、オマーン)

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