UAEとオマーンが350億ドル規模の投資パートナーシップを締結

アラブ首長国連邦（UAE）で4月23日、オマーンのハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード国王の訪問に合わせてUAE・オマーンビジネスフォーラムを開催した。フォーラムではUAEによるオマーンへの1,290億ディルハム（約350億ドル：約5兆4,180億円、1ディルハム＝約42円）規模の投資パートナーシップが発表された。

国営エミレーツ通信（WAM）によると、パートナーシップの合意内容には、グリーンメタル生産、太陽光発電や風力プロジェクトなどの風力プロジェクトを含む再生可能エネルギーへの取り組みのほか、デジタルインフラ・技術への投資ファンドの立ち上げ、UAE-オマーン鉄道接続プロジェクトが含まれる。合意内容は次のとおり。

1. 1,170億ディルハム相当の産業およびエネルギープロジェクトに関する合意。グリーンメタル生産施設、太陽光発電や風力プロジェクトなどを含む再生可能エネルギーに取り組む。アブダビ国営エネルギー会社（TAQA）、アブダビ・フューチャー・エナジー・カンパニー（マスダール）、エミレーツ・グローバル・アルミニウム（EGA）、エミレーツ・スチール・アルカン（ESA）、OQ Alternative Energy、オマーン電力送電会社が署名
2. デジタルインフラ・技術への投資ファンドの立ち上げるため、6億6,000万ディルハムの株主協定につき、アブダビ首長国の政府系投資会社（ADQ）とオマーン投資庁（OIA）が署名。
3. 110億ディルハム相当のUAE-オマーン鉄道接続プロジェクトに関する合意。
4. デジタルインフラ、食糧安全保障、エネルギー、運輸、その他複数の分野を含む投資協力協定に、UAEの投資省とオマーンの商工・投資促進省が署名。
5. エティハド鉄道、ムバダラ・インベストメント（Mubadala Investment Company）、オマーンのアシャド・グループ間のパートナーシップ協定。総投資額は30億ディルハム。
6. 2国間の経済貿易関係の強化に焦点を当てた、UAE-オマーンアライアンス形成のための枠組み協定。

UAEのムハンマド・ビン・ハッサン・アルスワイディ投資相は「UAEにとって、オマーンは投資と貿易面で世界有数の相手国としての地位を確立しており、非石油貿易量は2023年には約510億ディルハムに達する。今日署名された協定は、主要分野と貿易分野にわたる関係強化に役立つだろう」と述べた。

（清水美香）