三海域イニシアチブ首脳会合とビジネスフォーラムに合わせジェトロがリトアニアで商談会を実施
(リトアニア、中・東欧、EU、米国、ドイツ、日本、ウクライナ)
ワルシャワ発
2024年04月19日
三海域イニシアチブ(3SI)第9回首脳会合およびビジネスフォーラムが4月11日、リトアニアのビリニュスで開催された(プレスリリース)。3SIは、2015年に三海域(バルト海、アドリア海、黒海)に囲まれた中・東欧およびバルト地域における連結性強化および格差の縮小を目的として発足。会合には、EU加盟13カ国と、戦略的パートナーとして米国、ドイツ、欧州委員会が含まれ、モルドバとウクライナには準メンバーの地位が付与されている。日本は今回から戦略的パートナーとして参加し、上川陽子外相が日本政府を代表してビデオメッセージを発出した。
ビジネスフォーラムでは、リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領が登壇し、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、3SIの重要性が再確認されたと述べた。また、リトアニアは南北軸における連結性の重要性を理解し、ウクライナの再建における地域の役割にも関心を寄せているとして、地域間の連帯行動の重要性を強調した。また、三海域イニシアチブの経済的な成功事例やインフラ整備に対する新たな投資の必要性にも触れ、米国や日本などの戦略的パートナーシップの強化や、グリーンエネルギーへの転換、ウクライナへの支援など、持続可能な経済繁栄を目指し、同地域でのビジネスのパートナーシップを築いていく決意を示した。
開会式に続く分科会では、交通、エネルギー、デジタル、ウクライナ復興の分野での協力強化について、基調講演やパネルディスカッションが行われた。パネリストには、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領をはじめ3SI加盟国や欧米諸国の政府関係者、欧州投資基金や欧州投資銀行(EIB)などの金融機関、グーグルなど多国籍企業などが並んだ。今回から戦略的パートナーとなった日本からは、国際協力銀行(JBIC)の谷本正行常務取締役と経済産業省の杉浦正俊審議官(通商戦略担当)がパネルディスカッションに参加し、民間企業と協力して三海域における発展に積極的に貢献すると語った。次回2025年の3SI首脳会合およびビジネスフォーラムはポーランドで開催される予定だ。
今回の首脳会合およびビジネスフォーラムに先立ち、ジェトロは4月10日、リトアニアのスタートアップ支援機関であるスタートアップ・リトアニアの協力により、「ジャパン・イノベーション・ブリッジ(J-Bridge)」(注)の枠組みで現地スタートアップ企業と日本企業との商談会を3SIの公式サイドイベントとして実施した。日本企業6社と現地スタートアップ企業14社が参加し、エネルギー、モビリティ、インフラ、デジタルなどさまざまな分野での商談が行われた。
(注)日本企業とスタートアップなどの海外企業による協業・連携を支援するジェトロのビジネスプラットフォーム。
(吉戸翼)
(リトアニア、中・東欧、EU、米国、ドイツ、日本、ウクライナ)
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