李強首相が米商工会議所トップと会談、中国への投資歓迎

(中国、米国)

北京発

2024年03月04日

中国の李強首相は2月28日、北京市で全米商工会議所のスザンヌ・クラーク会頭と会談を行った。

李首相は、2023年11月の習近平国家主席とジョー・バイデン米大統領の会談(注1)以降、両国は対話や意思疎通を行い、実務的協力を推進してきたとした。その上で、2024年が中国・米国の国交正常化45周年であることを取り上げ、この間、協力こそが両国にとって唯一の正しい選択であることが繰り返し証明されてきたと評した。

また、両国の経済は高い相互補完性を有するとし、「デカップリング」や「スモールヤード・ハイフェンス」といった行為は双方の企業、経済、さらに全世界の発展に大きな損失を与えるものだとした。米国企業が中国に引き続き投資し、中国市場に深く入り込み、ともに中国の発展の機会を分け合うことを歓迎するとした。

李首相は、中国は引き続き市場化、法治化、国際化された一流のビジネス環境を作り上げることに努力し、米国などの外国企業の対中投資にさらなる支援と利便性を提供するとした。その上で、全米商工会議所と企業が架け橋としての役割を発揮し、両国の意思疎通と相互理解を促進することを希望した。

中国外交部によると、クラーク会頭は米国と中国の関係は極めて重要とし、デカップリングは取るべき選択ではないとした。その上で、中国と率直で建設的な意思疎通を行い、両国の経済・貿易関係と相互に利益をもたらす協力の深化に向けて努力するとした。

クラーク会頭をはじめとする同会議所一行は、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の招請に応じて、2月27~29日に中国を訪問した。CCPITは28日の記者会見で、今回のクラーク会頭の訪中の主な目的は両国の企業間協力の推進と、中国経済の発展とビジネス環境の最新状況を理解することとし、「米国の経済界が中国市場を高度に重視し、引き続き注目していることをあらためて証明したものだ」としている。

同日付の「21世紀経済報道」は今回の訪問について、「中国・米国関係改善の新たな表れの可能性がある」と評価している。

なお、米国の国際収支統計で、2023年1~9月の対中直接投資額(ネット、フロー)は前年同期比35.7%減の56億400万ドルとなっている(注2)。

(注1)会談の詳細は2023年11月16日記事2023年11月17日記事参照

(注2)2023年12月20日時点の発表データ。

(河野円洋)

(中国、米国)

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