中国税関総署、アルゼンチン小麦生産企業を検疫登録、輸入を許可

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2024年03月15日

アルゼンチン経済省農牧水産庁の1月26日の発表によると、中国税関総署(GACC)が動植物輸出検疫登録システムにアルゼンチンの小麦生産企業を登録し、小麦輸入を許可した。アルゼンチン政府によると、アルゼンチン産小麦の対中国輸出が初めて可能となった。

アルゼンチンは小麦の主要生産国の1つで、主要輸出国でもある。2022年の小麦輸出額は43億1,500万ドル、輸出量は1,400万トンだった。2023年は干害の影響により、輸出額は10億5,000万ドル、輸出量は300万トンにとどまった。なお、2023/2024年度の生産量見通しは1,550万トンと予測している。

国家統計センサス局(INDEC)によると、2023年の小麦の輸出相手国では、ブラジルが金額ベースで65.5%、チリが同7.5%、ペルーが同4.6%、ボリビアが同3.6%、インドネシアが同2.9%となっている。

1月28日付の現地紙「アンビト(電子版)」は、アルゼンチン産小麦の中国向け輸出は初めてではなく、1960年代に輸出していた記録があるが、その後は長く輸出実績がないとしている。中国は現在、世界第3位の小麦輸入国で、オーストラリアやカナダから年間1,000万トンの小麦を輸入しており、アルゼンチンにとって小麦輸出の拡大に大きな可能性が切り開かれた。

3月6日付の現地農業専門紙「アグロノア」(電子版)によると、ロサリオ穀物取引所(BCR)と在アルゼンチン中国大使館は、小麦、トウモロコシ、グレーンソルガム、大麦、大豆粉などの中国向けの輸出拡大に向けて両機関の協力関係を強めていく方針だ。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、中国)

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