世界最大級オーガニック食品見本市「BIOFACH2024」開催

(ドイツ、EU、日本)

ベルリン発

2024年03月08日

ドイツ南部バイエルン州ニュルンベルクで2月13~16日、世界最大級のオーガニック(有機)食品見本市「ビオファ(BIOFACH)2024」が開催された。共同開催されていたオーガニック化粧品見本「ビバネス(VIVANESS)」と合わせ、94カ国から2,550社が出展、128カ国から約3万5,000人が来場した。

ジェトロが運営するジャパンパビリオンには、日本茶、調味料、発酵食品、アルコールなど、計27社(共同出展企業を含む)が出展した。ビオファの主催者であるニュルンベルクメッセによると、今回、有機や持続可能性に焦点を当てるとともに、ナレッジシェアリングとネットワーキングを通して、有機分野におけるイノベーションの中心地になることも目指しているとのこと。

スイスにある有機農業研究所(FiBL)と国際有機農業運動連盟(IFOAM)によると、ドイツの有機食品の市場規模(2021年)は、米国(486億ユーロ)に次いで、世界2位(159億ユーロ)だ。

日本の農林水産省による「みどりの食料システム戦略外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するとしており、目標の1つとして、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の割合を25%(100万ヘクタール)に拡大することが挙げられている。

2024年1月1日現在、日本の有機JASマークとの有機同等性を承認している国・地域には、米国・EU・カナダ・台湾・英国・スイスがあり、中でも米国とEUへの輸出量が顕著に多い。2022年時点でEUへの有機同等性を利用した有機食品輸出には、茶(約603トン)、しょうゆ(約505トン)、梅加工品(約58トン)などがある。

今回のビオファに向けたジェトロの取り組みとして、ジャパンパビリオンの希望企業を対象にJapan Street(注)を活用した商品カタログを、欧州や北米のバイヤーに事前配布して来場を誘致。会期前のオンライン商談や事前のアポイントメント取得を踏まえ、会期中に対面商談するケースも見受けられた。日本企業からは「商談につながるバイヤーの割合が高くなった」との声も聞かれた(2024年3月8日記事参照)。柳秀直・駐ドイツ日本大使がジャパンパビリオンを訪問し、各出展企業にエールを送った。

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

なお、EUへ有機JASマークを取得した農産物および農産物加工品(酒類を除く)を輸出する際には、EUの検査証明書発行システム(TRACES)を利用して、EUに登録された登録認証機関経由で証明書を発行する必要がある。EUの有機ロゴ(ユーロリーフ)の表示は必須ではないが、表示する際は、各登録認証機関を示すコード番号と、原料の生産地をロゴと同じ面に記載することが求められる。

写真 EUの有機ロゴの掲載例(ジェトロ撮影)

EUの有機ロゴの掲載例(ジェトロ撮影)

次回の「ビオファ」は、2025年2月11~14日にニュルンベルクで開催の予定。

(注)Japan Streetは、ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のBtoBのオンラインカタログサイト。

(神谷萌々子、小菅宏幸)

(ドイツ、EU、日本)

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