2023年12月~2024年2月期の失業率は2.9%、5期連続で横ばい

(香港)

香港発

2024年03月27日

香港特別行政区政府統計処は3月18日、2023年12月~2024年2月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、2023年8~10月期から5期連続で横ばいの2.9%と発表した(添付資料図参照)。

業種別にみると、改善したのは「製造」(前期から0.4ポイント低下の2.9%)のみで、悪化したのは「貿易・卸売り」(同0.2ポイント上昇の3.1%)、「金融・保険・不動産・専門およびビジネスサービス」(同0.2ポイント上昇の2.5%)、そのほかの業種は横ばいだった。

年代別では、「15~19歳」(前期から3.0ポイント低下の7.2%)、「30~39歳」(同0.1ポイント低下の1.9%)の雇用状況は前期から改善した。一方、「50~59歳」(同0.1ポイント上昇の2.8%)、「60歳以上」(同0.1ポイント上昇の2.0%)の雇用状況は悪化した。

香港政府労働・福祉局の孫玉菡(クリス・サン)局長は「失業率は2023年11月~2024年1月期と同様に2.9%にとどまった」と強調し、今後の見通しについて「域内経済の持続的な成長に伴い、短期的には労働市場は人手不足の状況が続くと見込まれる」との見方を示した。

香港大手銀行の大新銀行のチーフエコノミスト兼ストラテジストの温嘉煒氏は「来港観光客数が堅調に回復することにより、消費や観光関連は安定すると予測する。加えて、香港政府が景気対策として主導するメガイベントにより、飲食や小売りの労働需要が短期的に高まる可能性があることから、第1四半期(1~3月)の失業率は3.0%以下で推移するだろう」との見方を示した(「信報」紙3月19日)。

なお、労働局は3月26~27日に旺角(モンコック)のマクファーソンスタジアムで、55社以上の企業が参加する就職フェアを開催している。また、労働局は求職者向けにオンラインプラットフォームを設置しており、求職者は同プラットフォームから求人情報などを得ることができる。

(横田覚)

(香港)

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