香港、金融国際センターとしてフィンテック企業のグローバル本部設立を支援
(香港)
香港発
2024年02月16日
香港投資推進局(インベスト香港)は2月5日、フィンテック企業のEVIDENT Platform Services Limited(EVIDENT、注1)の香港におけるグローバル本部の設立を支援したと発表した。
EVIDENTは、航空機リース業界でプライベートエクイティ投資などを手がけるアニソス・キャピタル・グループと提携し、航空業界に投資する、世界初のトークン化されたプライベート・リミテッド・パートナーシップ・ファンド(注2)を提供すると発表した。同社はオルタナティブ資産(注3)のデジタル投資プラットフォームを運営している。
インベスト香港の呉國才(チャールズ・ン)副局長は、EVIDENTがグローバル本部の所在地として香港を選択したことについて「活気あふれる香港のフィンテックエコシステムのみならず、強固な香港の金融市場見通しや規制制度に対する信頼感の表れだ」と述べた。
EVIDENTの創設者兼最高経営責任者(CEO)のフロリアン・シュピーグル氏は、香港の事業環境について「香港は国際金融ハブの地位を確立しており、世界中の投資家を牽引している。また、強固な法的基盤、イノベーションに対する政府の支援、効果的な税制に加え、最先端のデジタル資産ライセンスと規制の枠組みも提供している。このような理想的な環境を活用しながら、当社は革新的なデジタル投資構造を通じて発行者と株投資家の架け橋としての機能を発揮する」と強調した。さらに、同氏は「従来は大規模機関投資家にとってのアセットクラスである航空産業で、世界初の航空業界のトークン化ファンドを導入することは、香港ないし世界のオルタナティブ資産投資の進化の重要なマイルストーンだ」とコメントした。
(注1)2023年12月に香港証券先物委員会から証券取引の認可を取得。
(注2)リミテッド・パートナーシップ・ファンド(LPF)とは、投資家の利益獲得を目的として投資運用する、リミテッド・パートナーシップ(LP)の形式で構成されたファンド。香港でも、2020年8月31日からプラベードファンドがLPの形態で登録できる法令が施行された。
(注3)プライベードエクイティ(未公開株式)、商品先物市場で取引される商品(金など)、不動産やREITなどの資産を指す。
〔何樂晴(エスター・ホー)〕
(香港)
ビジネス短信 ccf1ce21cff85e55