国連がUNRWAの検証グループ設置、ポルトガルやスペインは追加拠出
(イスラエル、パレスチナ、フランス、スペイン、ノルウェー、デンマーク、ポルトガル、米国、世界)
テルアビブ発
2024年02月07日
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は2月5日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長と協議の上で、UNRWAの中立性を評価するための独立した検証グループを設置したと発表した。
この検証グループは、フランスのカトリーヌ・コロナ前欧州・外相が主導し、スウェーデンのラウル・ワレンバーグ研究所、ノルウェーのChr・ミケルセン研究所、デンマーク人権研究所の3つの研究機関と協力するとしている。検証グループは2月14日に作業を開始し、3月下旬に中間報告書を事務総長に提出、4月下旬には最終報告書を完成させる予定だ。
検証グループの付託事項は、(1)UNRWAの中立性を確保するために、現在備えているメカニズムや手続きを特定、(2)メカニズムや手続きが実際にどのように実施されてきたかなどを確認、(3)メカニズムや手続きの妥当性や目的への適合を評価、(4)必要に応じてメカニズムや手続きの改善と強化や、より目的に適合した新しい代替メカニズムや手続きの創設に関する勧告を行うこととしている。
なお、2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃(2023年10月10日記事参照)にUNRWA職員が関与したとの疑惑(2023年1月29日記事参照)については、国連の内部監査部(OIOS)が調査を進めているとしている。
UNRWA職員の疑惑を受けて、2024年1月30日時点で18カ国・地域がUNRWAへの資金拠出の一時停止を決定している(2024年2月2日記事参照)。一方、ロイター(2月5日)などによると、ポルトガルは2月2日にUNRWAへの100万ユーロの追加拠出を発表し、スペインは2月5日に350万ユーロの追加拠出を発表している。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(中溝丘)
(イスラエル、パレスチナ、フランス、スペイン、ノルウェー、デンマーク、ポルトガル、米国、世界)
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