1月の消費者物価上昇率、やや落ち着くも高止まり

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2024年02月28日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は2月14日、2024年1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が全国平均値で前月比20.6%だったと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。2023年12月に記録した25.5%からはやや落ち着いたものの、依然として高止まりしている。前年同月比(年率)では254.2%上昇となり、2カ月連続で200%を超えた(添付資料図参照)。

1月の前月比の伸び率を項目別にみると、季節によって価格が変動する生鮮食品や観光サービスなどの財・サービスは16.2%増、エネルギーや公共サービスなどの財・サービスは26.6%増、季節要因などを除いたコアインフレ率は20.2%で、12月と同様にいずれも大幅に上昇した。

前月比の伸び率を費目別にみると、平均値を大きく上回ったのは、日用品などを含むその他の財およびサービスの44.4%増、交通の26.3%増、通信の25.1%増など。CPIに占める比重が大きい食品・飲料(酒類を除く)は20.4%増で、特に肉類やパン類が大きく値上がりした(添付資料表1参照)。

2月14日付の現地紙「アンビト」(電子版)によると、1月の物価上昇は、12月13日に実施された公式為替レートの50%超の切り下げの影響が続いたほか、価格統制制度が廃止され、価格統制されていた財・サービスの価格が見直されたことに原因があるとしている。複数の現地エコノミストらは、2月のCPI上昇率は前月比で約15%、3月は同10%と徐々に落ち着くと予測している。その要因は、主に需要の大幅な落ち込みとしている。しかし、公共交通機関、民間医療制度、ビルの管理費などの大幅な値上げが行われているため、CPI上昇率が高止まりする可能性も指摘している。ジェトロが2月23日にブエノスアイレス市内で独自に行った価格調査(添付資料表2参照)でも、1月比で大幅に値上げされた品目も多くみられる。

中央銀行が民間エコノミストらを対象に毎月実施している主要経済指標の予測調査(REM)の最新調査結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2024年1月版)によると、2月のCPI上昇率の前月比は18%、3月は15.3%となり、2024年通年では227%を予測している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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