ASEAN中国FTA3.0の第5回交渉、タイEU FTAの第2回交渉が実施
(タイ、中国、EU)
バンコク発
2024年02月26日
タイ商務省貿易交渉局(DTN)は2月9日、改正ASEAN中国自由貿易協定(ACFTA 3.0)に向けた第5回交渉で大きな進展があったと発表した。同交渉は1月29日から2月2日まで、中国の杭州で開催された。ASEANと中国は、2024年中に改正交渉を妥結するため、協議を加速させることで合意した。
DTNによると、今回の会合では中小企業章や競争章についての追加項目、消費者保護、基準、技術的規則、適合性評価手続きに関する協議が中間点を超えるなど、いくつかの分野で大きな進展があったという。残りの分野(物品貿易、デジタル経済、投資、税関手続き・貿易円滑化、グリーン経済)においても、進展が見られた。このうち、物品貿易に関しては、ASEAN・中国双方で市場アクセスを拡大すべくガイドラインを開発している。
中国商務部の王受文・国際貿易交渉代表兼副部長は、2024年内にACFTAの改正が妥結することで、双方の貿易投資協力の強化につながるとともに、新たな協力関係が構築されることをあらためて強調したという。
EU、EFTAとのFTAに進捗
ほかのFTAの進捗として、タイ・EU FTAの第2回交渉が1月22日から26日にかけてバンコクで開催された。今回の交渉では、FTAを構成する19項目について協議された〔物品貿易、原産地規則、税関手続き・貿易円滑化、貿易救済措置、衛生植物検疫措置、貿易の技術的障壁、サービス貿易・投資、デジタル貿易、知的財産権、競争・補助金、政府調達、貿易と持続可能な開発、中小企業、国営企業、エネルギー・原材料、持続可能な食料システム、透明性・良き規制慣行(Good Regulatory Practice:GRP)、紛争解決、通則/一般規定/最終規定/制度規定/例外規定〕。EU側からもウェブサイトで結果が公表されている。今後、2024年6月に第3回交渉(EU主催)をブリュッセルで、同年10月に第4回交渉をバンコクで実施する予定となっている。
タイと欧州自由貿易連合(EFTA)(注)のFTAは、1月30日から2月2日にかけて、バンコクで第8回交渉が実施された。DTNによると、交渉は2024年中に妥結する見通しとなっており、次回交渉は4月を予定している。
(注)スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインが加盟。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、中国、EU)
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