ジェトロ、メゾン・エ・オブジェで日本企業59社の出展を支援

(フランス、欧州、日本)

海外展開支援部販路開拓課

2024年02月27日

ジェトロは、11822日にフランスのパリ・ノールビルパント見本市会場で開催された欧州最大級のインテリアデザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます・パリ20241月展」(主催:SAFI)で、過去最多の日本企業59社のブース出展を支援した。「インテリア界のパリコレ」ともいわれる同見本市は、出展スペースの確保が難しいことでも有名だ。 

今回30周年を迎えた20241月展のメゾン・エ・オブジェのテーマは「テック・エデン(TECH EDEN):未来のホームインテリア」。テクノロジーと自然の調和に焦点が当てられ、持続可能性と環境に配慮したエコデザインを併せ持つ多くの製品が展示された。また、事前に審査委員会により認定された出展者は、出展ブースのネームボードに「サステナブル」ラベルが表示されるなど、前年1月展と同様に、環境への配慮が引き続き重視されていた。

写真 (左)展示会外観、(右)キウイを使った食べられる紙の展示。TECH EDEN特設展にて(ともにジェトロ撮影)

(左)展示会外観、(右)キウイを使った食べられる紙の展示。TECH EDEN特設展にて(ともにジェトロ撮影)

主催者は20241月展について、「会期を終えて印象に残ったのは、出展ブランドと来場者双方の顕著な増加と、プレスクリプター(注)や小売業者たちの意欲的な姿勢だった」と述べた。

来場者数は147カ国7668(うちフランス国外から29,752人)となり、前年1月展から5%増加した。地域別の来場者数は、米国(前年より8%増)とアジア(83%増)からの増加が顕著で、とりわけアジアについては、日本(52%増)やインド(18%増)からの大幅な増加と、中国からの来場者が戻ってきたことによって「素晴らしい成長を見せた」とコメントした。また、インテリアデザイナーの来場の増加(8%増)にも言及し、「デザイン・デコレーション・ライフスタイル関係業界のあらゆる人々にとって、この国際的なイベントが不可欠なものということをあらためて明確にした」と述べた。

出展総ブランド数は62カ国2,516ブランド(うちフランス国外から1,474ブランド、新規出展648ブランド)で前年1月展より9%の増加を記録した。フランスを除く国別の出展ブランド数ランキングでは、イタリア、ベルギー、スペイン、オランダの欧州勢に続き、日本からは93ブランドが出展し5位にランクイン。ジェトロでは、うち59社の出展支援を行い、同見本市の支援企業数では過去最多となった。また、ジェトロが支援した企業のうち、新規の出展企業は29社、輸出が未経験の企業は12社だった。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

ジェトロでは、現地情報の提供や主催者ニュースレター、SNSを通じた広報支援に加え、会期前のセミナーや現地の各種専門家による個別コンサルテーションも組み合わせて、各社の出展支援を実施。初出展の企業からは「予想以上に反響があった」「実際に引き合いがあり、現地とのつながりができた」などのコメントが寄せられた。今回の支援企業59社には、能登半島地震で被災し社員の渡航がかなわなかった、和ろうそくを製造する高澤商店(石川県七尾市)も含まれる。同社ブースには5日間で50件以上のバイヤーが来訪した。

写真 (左)高澤商店出展ブースの様子、(右)バイヤーに商品の説明をするアシスタント(ともにジェトロ撮影)

(左)高澤商店出展ブースの様子、(右)バイヤーに商品の説明をするアシスタント(ともにジェトロ撮影)

(注)高級物件やホテルなどの内装に関して、購買決定権を有するインテリアデザイナーや建築家。

(鈴木優香)

(フランス、欧州、日本)

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