中国企業代表団がベナン訪問、経済関係強化に向け商談会開催
(ベナン、中国)
アビジャン発
2024年01月22日
中国の企業代表団が1月4日、ベナンを訪問し、経済首都コトヌのベナン商工会議所本部で開催された「第2回中国・ベナン経済貿易投資協力フォーラム」に出席した。フォーラムには、ベナン政府や商工会議所役員のほか、中国企業10社、ベナンの企業家ら100人以上が出席した。
フォーラムでは、ベナン政府から投資政策やビジネス環境の説明がなされたほか、両国企業の間で商談会が実施された。中国企業代表団はまた、コトヌから約45キロ離れたグロジベ工業団地(GDIZ)を視察している。GDIZは、アフリカ各国で工業団地開発・運営を手掛けるアライズ・インテグレーテッド・インダストリアル・プラットフォームズ(ARISE IIP)がベナン政府と協力して開発した工業団地で、開発の第1フェーズで少なくとも14億ドルの投資が行われており、2030年までに30万人以上の直接雇用の創出を見込んでいる。GDIZは綿花、カシューナッツ、パイナップル、シアナッツ、大豆などの農作物の現地加工に特化した工業団地であり、2023年4月時点で、すでに約35社の企業が進出している。現地ではとりわけ綿・繊維セクターへの関心が高まっており、2022年には繊維工場10社がGDIZへの工場建設を表明している。
このフォーラムは、2023年4月、両国の国交再開50周年(注)の節目に北京で開催された2国間経済貿易投資協力フォーラムの流れをくむもので、2023年9月には、ベナンのパトリス・タロン大統領が訪中し、「戦略的パートナーシップ」(2023年9月26日記事参照)を締結するなど、ここ数年で両国関係は緊密化し、企業間交流も活発になっている。このパートナーシップ協定で、ベナン政府は中国に有利なビジネス環境の整備を約束した。2022年度の対ベナン投資指南によると、両国の経済貿易関係は良好で、30社以上の中国企業が、インフラ建設、エネルギー、通信、農業などの幅広い分野でベナンに進出しており、在留中国人は約2,000人に上る。中国企業によるインフラ開発としては、ベナン新国会議事堂の建設やコトヌ港の拡張のほか、綿花生産地の輸送ルート整備を目的とした「コットン・ロード」建設などが挙げられ、中国建築集団、中国港湾工程、中国水利電力などが開発に関わっている。
(注)中国とベナンは1964年に国交を樹立するが、2年後に断絶。1972年に国交を再開して以降、両国関係は順調に発展している。
(藤本海香子)
(ベナン、中国)
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