タイ南部のパンガー県で2つのリチウム鉱床を発見
(タイ)
バンコク発
2024年01月29日
タイ政府副報道官は1月18日、タイ南部のパンガー県で2つのリチウム鉱床が発見され、世界3位の規模に相当する1,480万トンのリチウムが埋蔵されていると発表した。しかし、その翌日、1,480万トンの鉱物資源は、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の製造に使用できるリチウムだけでなく、その他の鉱物も含んでいることを工業省第一次産業工業局が公表し、1,480万トンの全てがリチウムでないことを明らかにした。
同局によると、ルアンキャット鉱床で発見された鉱物資源はレピドライトで、埋蔵量は約1,480万トンと推定される。レピドライトには約0.45%のリチウム(炭酸リチウム換算で約16万4,500トン)が含まれており、EVに使用される50キロワット時(kWh)のバッテリーを少なくとも100万個生産できる量に相当すると推定している。同局は、タイをリチウムイオン電池とEVの地域の生産ハブにするという政府の目標を支援するため、ラーチャブリー県やヤラー県など他の地域でのリチウム探査も加速すると付け加えた。
なお、これらの鉱床では、リチウム開発企業パン・アジア・メタルズが採掘し、実証調査を行っている。同社は2024年1月11日に最新の採掘状況を発表していた。
しかし、現地報道によると、このパンガー県のリチウム鉱床の開発継続に関しては、外国企業が採掘権を得る見込みであることや地域の環境、観光への影響についての議論も必要だという声が地元からあがっているという。
(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)
(タイ)
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