電力不足解消に向け石炭火力発電所を新設、ロシア企業に発注

(カザフスタン、ロシア)

タシケント発

2024年01月30日

カザフスタンのアルマサダム・サトカリエフ・エネルギー相は、1月16日に行われた政府閣議で、電力産業発展のための行動計画について報告した(首相府ウェブサイト1月16日)。将来的に見込まれる電力不足に対応するため、ロシアの協力も得て発電容量の拡大を行う。

カザフスタン国内の電力需要は年々増加しており、2030年までに国内の電力不足は6ギガワットに達すると試算されている。エネルギー省は電力需要を満たすため、a.既存の発電所の再建と近代化、b.再生可能エネルギー発電所の建設、c.送電網整備と統合による地域電力供給の安定化を推進する計画だ。

2023年11月のロシアのウラジーミル・プーチン大統領のアスタナ公式訪問の際、両国エネルギー省間で3つの熱電併給所建設に関する覚書が締結された(タス通信2023年11月10日)。同プロジェクトの実施に当たるのは、カザフスタン側が国有発送電大手サムルク・エネルゴ、ロシア側が電力輸出会社インテルRAOエクスポルトと発表されている。北部アクモラ州コクシェタウ市に240メガワット、東部のアバイ州セメイ市、東カザフスタン州オスケメン市に各360メガワットの石炭火力による熱電併給所が建設される予定で、実現可能性調査を実施した後に2024年中にも建設に着手、完成は2027〜2030年になる見込みだ。

カザフスタン政府の説明によれば、脱炭素社会を目指す風潮の中、石炭火力発電所建設は国際金融機関からの融資が難しく、最終的にロシア側が技術、資金両面での協力を申し出ることで建設が決まった(カズインフォルム 2023年11月9日)。

同プロジェクトに対し、国内の環境活動家やジャーナリストから環境の悪化への懸念や、石炭業界の意向をくんだものだという非難の声があがっている(アザティック・ラジオ2023年12月15日)。また、ソ連時代に建設された既存の発電所の老朽化が著しく、事故やトラブルが多発するという問題もある(2023年4月14日記事参照)。しかし、電力と暖房の安定的な供給は冬季が厳しい同国では死活問題で、早急に対応するため石炭に頼らざるを得ないのが実情だ。

(増島繁延)

(カザフスタン、ロシア)