GMO、ウランバートル市と都市デジタル化に向けた基本合意を締結

(モンゴル)

北京発

2023年12月04日

インターネット関連事業大手のGMOインターネットグループは11月15日、モンゴルのウランバートル市との間で、都市のデジタル化の基本合意を締結したことを発表した(注1)。基本合意では、同市をよりデジタル化された、安全で、包括的な都市にするため、市民と企業のために協力することを目的とし、さまざまなプロジェクトや活動で協力するとしている。また、同社は2024年1月にモンゴルに現地法人を設立する予定であることも発表した。現地法人の名称は「GMO-Z.com Mongolia」、資本金は3,000万円相当の計画で、モンゴルでインターネットインフラや、インターネットセキュリティーの分野で事業展開を行うとしている。

モンゴル政府は2005年と2012年にそれぞれ電子政府への移行を目指す閣議決定を行っており、オンラインの公共サービスシステム「E-Mongolia」の導入など、行政サービスの電子化を進めている。新型コロナウイルス感染症の拡大などによる経済減速からの復興を目指すために2021年に国会で採択された「新復興政策」(注2)の行動計画では、「行政サービスを電子化し、官僚主義を削減する」という目標の実現のため、「電子国家」になるための政策を強化する(注3)と定めている。この枠組みで、モンゴル政府は2022年1月6日に通信・情報技術庁をデジタル開発・通信省に格上げし、取り組みを強化している。

(注1)同社は12月にジェトロが実施する「モンゴルITミッション」にも参加する予定だ。

(注2)「新復興政策」とは、新型コロナウイルス感染症によるモンゴル経済への悪影響を緩和し、経済の独立性強化、「Vision2050:モンゴル国家長期開発方針」を実施する基礎条件の整備、発展の制約要因について迅速な解決を目的として、モンゴル政府が国会に提出した政策で、2021年12月30日に可決された国会決議第106号を指す。モンゴルの発展を制約する6つの主な問題(国境税関、エネルギー、産業、都市・地方、グリーン開発、行政効率)を解決するために、最長10年間にわたって実施する中期目標のプログラムが含まれる。

(注3)新復興政策では、「デジタル国家となるための政策を促進し、公共の情報インフラを改善し、紙ベースの作業を削減してオンラインに移行し、公共の情報システムで検索・照会可能な情報は個人・法人に要求しない体制を整え、オンラインで提供する行政サービスの普及率や種類を拡大し、個人にデジタル署名を提供する作業を段階的に実施する」と定めている。

(藤井一範)

(モンゴル)

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