国連安保理、ガザでの即時停戦決議案を否決、米国が拒否権行使

(イスラエル、パレスチナ、アラブ首長国連邦、米国、英国)

テルアビブ発

2023年12月13日

国連安全保障理事会は12月8日、パレスチナ自治区ガザでの人道目的の即時停戦を求める決議案の採決を行ったが、常任理事国の米国が拒否権を行使して否決外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は12月6日、国連憲章第15章の第99条に基づき、安保理に対し「人道的停戦の宣言」を訴えていた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。この条文によると、国連事務総長は、国際の平和と安全の維持を脅かすと思われるいかなる事項でも安全保障理事会に注意を促すことができ、グテーレス事務総長が第99条を発動したのは、2017年の事務総長就任以来初めてだった。

この99条の発動を受けて、アラブ首長国連邦(UAE)が決議案を提出して緊急会合が開かれた。採決では、常任理事国は中国、フランス、ロシアの3カ国、非常任理事国は全10カ国(アルバニア、ブラジル、エクアドル、ガボン、ガーナ、日本、マルタ、モザンビーク、スイス、UAE)の計13カ国が賛成したが、英国は棄権した。

国連によると、米国のロバート・ウッド国連次席大使は「決議案は無条件停戦を求める内容を維持しているが、これは非現実的であるだけでなく危険である。ハマスをその場に残し、再結集して10月7日に行ったことを繰り返すのを可能にするだけだ」と主張した。

投票を棄権した英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は、ハマスの残虐行為を非難しない決議案には賛成票を投じることはできないと述べ、「イスラエルは、このような攻撃が二度と行われないように、国際人道法を順守する方法でハマスの脅威に対処できる必要がある」と述べた。

パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連常駐オブザーバーは、今回の採決結果は「遺憾を超えて悲惨」だとして、何百万人ものパレスチナ人の命が危機にさらされていると述べた。また、停戦と国連総会緊急特別会合の再開をあらためて求めた。

イスラエル首相府は12月9日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の声明を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「米国が国連安保理でとった正しい姿勢を非常に高く評価する」と述べる一方、「他の国々は、一方でハマスの壊滅を支持しながら、他方で戦争の停止を求めることは不可能であり、それがハマスの壊滅を妨げることになるということを理解する必要がある」と主張した。

その上で、「イスラエルはハマスを壊滅させ、われわれが設定した他の戦争目標を達成するために正義の戦争を継続するだろう」と締めくくった。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、アラブ首長国連邦、米国、英国)

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