台湾クリエイティブコンテンツフェスタ2023が台北で開催

(台湾)

デジタルマーケティング部デジタルマーケティング課

2023年12月25日

台湾最大級のコンテンツ見本市「台湾クリエイティブコンテンツフェスタ2023TCCF)」が117日~12日、台北の松山文創園区で開催された。同見本市は台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)(注)が主催し、マーケット、ピッチ、イノベーションの3つの分野に分けて実施された。主催者の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会期中に29の国・地域から241の事業者が参加し、2,490件の商談が実施された。マーケットには94社が出展、7,567人が来場し、363作品が取引された。

写真 TCCF会場の入り口(ジェトロ撮影)

TCCF会場の入り口(ジェトロ撮影)

マーケットはコンテンツと知的財産(IP)ライセンス取引が中心で、台湾の大手放送局、映像配信プラットフォーマー、映像制作会社などが自社作品の売り込みと他社作品の買い付けのために参加した。台湾以外からはシンガポール、日本、香港などの大手放送局や映像制作会社、韓国とフランスの政府機関がブースを出展した。本展示会では実写作品、バラエティ作品、ドキュメンタリー作品、アニメなど幅広いジャンルが扱われていた。

写真 ジェトロのブース(ジェトロ撮影)

ジェトロのブース(ジェトロ撮影)

ジェトロはマーケットエリアに海外バイヤー向けのBtoBオンラインカタログサイト「Japan Street」の広報を目的としたブースを設置した。「Japan Street」は、海外バイヤーとの商談・取引機会の創出を目的に、日本の企業や商品情報(映像コンテンツなどの作品を含む)を掲載しており、ジェトロが招待したバイヤーのみが閲覧可能となっている。ブースでは海外バイヤーに対し、「Japan Street」について紹介するとともに、バイヤーのニーズをヒアリングした。「日本のアニメの旧作を購買したい」と語るチリのバイヤー、「日本のドキュメンタリー作品を探している」という台湾のバイヤーなど、日本のコンテンツにはジャンルを問わずさまざまな引き合いが寄せられた。実際、会期終了後に台湾の映像配信プラットフォームから日本のアニメへの引き合いが「Japan Street」を通じてあり、12月にオンライン商談を実施している。

写真 商談会場の様子(ジェトロ撮影)

商談会場の様子(ジェトロ撮影)

2022年度に開催された同展示会には無料で入場できたが、今回(2023年度)からは有料となった。このため、具体的なビジネスニーズのあるバイヤーの参加割合が増え、「展示会としてより洗練された」と回答した来場者も複数いた。また、2023年度のTCCFでははじめて、海外パビリオンが設けられ、日本(ジェトロ)、韓国、フランスが参加し、より国際色豊かな展示会となった。台湾では、共同製作やリメイクを目的とした小説などの原作のニーズが高い。2023年には宮部みゆき原作の「模倣犯」が台湾Netflixによりリメイクされ、注目を集めた。TCCFも従来のIP取引にとどまらず共同製作などを促進するマーケットとしての特徴がみられ、原作販売または調達を目的とした出展者もいた。

(注)TAICCAは2019年に設立された台湾文化部所管の独立行政法人。台湾コンテンツ業界の発展と台湾のコンテンツブランドを世界に発信することを目的としている。

(伊藤優一)

(台湾)

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