北京市のサービス業モデル区で対外開放をさらに拡大

(中国)

北京発

2023年12月01日

中国国務院は11月23日、「北京市における国家サービス業開放拡大総合モデル区の建設深化を支援する作業プラン」(国函[2023]130号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを承認・公布した。同プランには、電子情報サービスや健康・医療、金融、文化教育など重点分野における改革深化・開放拡大、新興業態の規則・規範の構築、貿易投資制度の最適化、公共サービスの政策環境の整備、権益保護メカニズムの強化、リスクの予防・コントロールシステムの整備の6分野で170項目余りの試行任務が含まれる(添付資料表参照)。

改革深化・開放拡大の重点分野における主な取り組みは次のとおり。

  • 電子情報サービス:北京市において情報サービス事業(アプリストアのみ、オンライン出版サービスは除く)やインターネット接続サービス事業(利用者へのインターネット接続サービス提供のみ)など、付加価値電信事業における外資の出資規制を撤廃し、適切な時期に同事業のさらなる開放を検討する。
  • 健康・医療:条件を満たす外国籍および香港・マカオ・台湾の医師が北京に診療所を開設することを認める。条件を満たす医療機関による幹細胞などの臨床試験の実施や幹細胞・遺伝子の研究開発における国際協力を支援する。
  • 金融:金融管理部門は、海外金融機関とその投資家、越境金融サービス提供者が提出した金融事業の関連申請のうち、完全な要件を備え、法的形式に符合しているものについて、内外一致の原則に基づき受領後120 日以内に決定を下し、申請者に通知する。予定どおり決定できない場合にはただちにその旨を申請者に通知し、合理的な期間内に決定するよう努める。
  • 文化教育:公演会場、娯楽施設、有料でインターネットアクセスサービスを提供する施設の設立における外資認可権限を区のレベルに移譲する。外資が全額出資する営利性職業技能訓練機関の設立を支援する。
  • 専門サービス:条件を満たす海外の個人が証券投資・先物取引のコンサルティング業務を行うことを認める。

同作業プランは、2020年に発表された「モデル区1.0プラン」のアップグレード版であるため、「モデル区2.0プラン」とも呼ばれる。商務部国際貿易経済合作研究院現代サプライチェーン研究所の林夢所長は「北京の『モデル区2.0プラン』は、中国のハイレベルな対外開放の最新の実践であり、中国の開放型経済の新体制の構築をさらに推進する上で重要な役割を果たす」と期待を示した(「央視新聞」11月26日)。

(趙薇)

(中国)

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