アフリカ域内貿易見本市をエジプト・カイロで開催

(エジプト、アフリカ)

カイロ発

2023年11月15日

アフリカ域内貿易促進のための展示会「Intra-African Trade Fair(IATF)」が11月9日、エジプトの首都カイロで開幕した。会期は11月15日まで。同展示会はアフリカ輸出入銀行が主催し、アフリカ連合(AU)やアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)事務局が協力する。IATFの開催は2018年(エジプト・カイロ)、2021年(南アフリカ共和国・ダーバン)に次ぐ3回目。主催者によれば、展示会には約75カ国から1,600以上の企業や団体などが出展し、併催のIATFカンファレンスを含めて3万5,000人以上が参加の見込みだ。

11月12日に開催された IATFカンファレンスの貿易と投資をテーマにしたセッションでは、主催のアフリカ輸出入銀行が、アフリカにおける域内貿易比率の低さを指摘するとともに、同銀行の域内貿易促進のための取り組みを紹介した。また、アフリカ投資銀行の登壇者は、AfCFTAの有望性について日本を例に挙げて説明した。国内市場の縮小により新たな消費市場を求める日本の企業にとって、AfCFTAによりアフリカ大陸を1つの巨大市場として捉えられるようになることは大きな魅力だという。11月13日に開催されたセッションには、ホスト国エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、ムスタファ・マドブーリー首相、アフマド・サミール貿易・産業相も参加し、エルシーシ大統領は「アフリカ域内貿易を推進し、アフリカ諸国が相互成長に向けて積極的に協力する必要がある」とスピーチした。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

展示会には、エジプトのほか、南ア、ナイジェリア、アルジェリア、ウガンダ、マラウイなどがナショナルパビリオンを設けた。また、アフリカ開発銀行(AfDB)、国連アフリカ経済委員会(UNECA)、AfCFTA事務局をはじめとする国際機関や、各国の貿易投資促進機関や地方政府など公的機関の出展が目立った。民間では、ホスト国のエジプトから製造業の業界団体であるエジプト産業連盟(FEI)や大手金融機関、ハッサン・アラムなどの大手企業が大規模なブースを出展した。また、最大規模のナショナルパビリオンを出展した南アからは、パビリオン内に70以上の企業が出展した。日本企業では日産自動車がブースを構えた。

写真 にぎわう南アフリカパビリオン(ジェトロ撮影)

にぎわう南アフリカパビリオン(ジェトロ撮影)

(塩川裕子)

(エジプト、アフリカ)

ビジネス短信 863c4fb2a08ea862