9月のGDP成長率は前年同月比5.2%、製造業の下支え続く

(ロシア)

調査部欧州課

2023年11月09日

ロシア経済発展省の発表(11月1日)によると、9月の実質GDP成長率(推計値)は前年同月比5.2%だった。前月の伸び率と変化はなかった。2023年第3四半期(7~9月)は前年同期比5.2%で、前期の伸び率と比べ0.3ポイント増加した(添付資料表参照)。建設業が堅調に推移したことや、小売りや農業の回復、ウクライナ侵攻後に急減した製造業の反動増によりプラス成長となった。

9月の鉱工業生産は前年同月比5.6%増だった。鉱業の伸び率は前月から0.5ポイント増の0.7%減だった。このうち石炭採掘が2.1%増(前月より0.7ポイント増)、金属資源採掘が1.7%減(前月より1.5ポイント増)、その他の資源採掘5.7%減(前月より4.9ポイント減)、鉱業分野のサービスが3.7%増(前月より0.7ポイント減)だった。

製造業の伸び率は前月から0.6ポイント改善し、10.9%増だった。機械製造業が自動車、コンピュータ・電子機器の回復を背景に35.9%増(前月より1.9ポイント増)、冶金(やきん)・金属加工業が11.6%増(前月より0.7ポイント減)と好調に推移したことが製造業全体の伸びに寄与した。

連邦国家統計局によると、9月の乗用車生産台数は前年同月比2.7倍の6万4,300台、1~9月では前年同期比2.7%増の35万8,000台だった。自動車調査会社アフトスタト(10月4日)によると、9月の乗用車新車販売台数は前年同月比2.5倍の11万358台、1~9月では前年同期比51.1%増の71万7,310台となった。

建設業は前年同月比8.4%増(前月より0.5ポイント減)とプラスで推移している。農業も12.7%増(19.0ポイント増)、貨物輸送は1.4%増(前月より0.8ポイント増)だった。

労働市場は安定しており、9月の失業率は3.0%だった。8月の実質賃金は前年同月比9.5%増だった。

小売商品売上高は前年同月比12.2%増(前月より1.2ポイント増)だった。

ロシアの公式GDP統計は、四半期別と年別については連邦国家統計局、推計値として月次の成長率は経済発展省がそれぞれ発表している。

(小野塚信)

(ロシア)

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