第3四半期GDP、前年同期比0.3%後退、パンデミック以来のマイナス成長に

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年11月28日

コロンビア国家統計局(DANE)が11月15日に公表したGDP統計によると、2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率は前年同期比マイナス0.3%と、新型コロナウイルスのパンデミックの打撃を受けた2020年第4四半期(10~12月)以来のマイナス成長となった。

産業別にみると、特に建設業、製造業、商業がそれぞれマイナスの8.0%、6.2%、3.5%と低調さが目立つ。建設業は2022年第4四半期以降、4期連続のマイナス成長だった。特に公共工事が15.0%減少しており、中でも道路(高架道路を除く)・鉄道・トンネルが不調だった。背景として政府の投資予算の執行の遅れが指摘されている。会計検査院によると、10月末時点の一般予算の投資予算執行率は54.4%にとどまっている。好調だった住宅建設もマイナスに転じた。建設関連業界団体Camacolのギジェルモ・エレラ会長は「2023年1~10月で住宅販売は前年同期比45.7%減少し、販売が振るわない影響で着工件数も27%縮小した。このことが直近のGDPの結果に影響を及ぼした」と話している。なお、2023年4月以降、政策金利は13.25%で高止まりしており、高金利が住宅販売を大きく抑えている。一方で、プラス成長となったのは行政・防衛(5.3%)、芸術・エンターテインメント(4.9%)、鉱業(3.5%)だった。

需要項目別では、民間最終消費支出(0.4%)と政府最終消費支出(1.9%)がプラスだったものの、国内総固定資本形成(マイナス11.0%)が3期連続のマイナス成長となった。特に機械・設備(マイナス15.8%)の落ち込みが大きい。

コロンビア商業連盟(Fenalco)のハイメ・カバル会長は「最も悪い結果となった部門は製造業、建設、商業だ。これらは雇用を生み出す主要な部門のため、持続可能な状況を維持する必要がある」と述べ、政府による景気刺激策を求めた。

(木村香菜)

(コロンビア)

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